興味津々

大徳寺真珠庵の襖絵が新調 漫画家ら現代作家が描き特別公開のプロジェクト

大徳寺 真珠庵の襖絵を漫画家ら現代作家が新調
それには真珠庵住職の目論見が!

大徳寺真珠庵の新調された襖絵の特別公開日程をお知らせします。

漫画家ら現代作家の格闘ぶりと、
襖絵プロジェクトの目指すものについて、
そして、
斬新な襖絵が公開される
大徳寺 真珠庵へのアクセスをご案内します。

  

大徳寺真珠庵の襖絵新調と特別公開

大徳寺真珠庵の特別公開

大徳寺 真珠庵(しんじゅあん)は、
京都市北区紫野にある、臨済宗大本山大徳寺の塔頭です。

型破りな禅僧として有名な、一休宗純ゆかりの寺院で、
特別公開の時を除き、普段は非公開の寺院です。

大徳寺は、永享年間(1429年~1441年)に、
後に応仁の乱により焼失した大徳寺を復興する、
一休宗純を開祖として創建されました。

大徳寺 真珠庵は、一休和尚が亡くなられた10年後の延徳3年(1491年)に、
堺の豪商、尾和宗臨によって建てられ、
その後、
寛永13年(1636年)に京の豪商・後藤益勝(ごとうますかつ)の寄進により、
方丈が造営されました。

桃山時代に御所の化粧殿を移築した書院「通僊院」は重要文化財に指定され、
二畳台目の茶室「庭玉軒」は、
江戸時代初期の茶匠・道宗和流の祖、金森宗和好みとされ、
手水鉢や飛び石が置かれた内露地の一部を庇屋根で覆い、
内部空間とした珍しい構造を持ち、内蹲踞の席として有名です。

方丈の東には村田珠光作庭と伝わる「七五三の庭」があります。

方丈東庭「七五三庭」は、真珠庵で最も古い枯山水庭園で、
侘茶の祖である村田珠光の作庭と伝わり、
七・五・三の合せて15個の石が配してあることから、
「七五三庭」とも呼ばれています。

その大徳寺 真珠庵には、
曽我蛇足、長谷川等伯の方丈襖絵が寺宝としてあります。

重要文化財の、
方丈西の間襖絵、紙本墨画真山水図 8面、
方丈室中襖絵、紙本墨画花鳥図 16面、
方丈書院の間襖絵、紙本墨画草山水図 5面は、
伝蛇足筆のものと言われ、
方丈東の間襖絵、紙本墨画商山四皓図(しょうざんしこうず) 8面と、
方丈衣鉢の間襖絵、紙本墨画蜆子猪頭図(けんすちょとうず) 4面の、
作者は天才絵師 長谷川等伯の筆によるものです。

これらの方丈襖絵が修復に入ることとなり、
約400年ぶりに方丈襖絵が新調されました。

今回の一般公開では新襖絵の他、
通常非公開の書院「通僊院」や茶室「庭玉軒」、
村田珠光作庭と伝わる「七五三の庭」が公開となります。

大徳寺真珠庵の襖絵修復について

大徳寺・真珠庵といえば名刹中の名刹で、一休宗純開祖の塔頭です。

普段、非公開の大徳寺真珠庵で、圧倒的な存在感を放っているのは、
およそ500年前に曽我蛇足によって描かれた襖絵と、
それから100年ほど後、長谷川等伯によって描かれた襖絵です。

ともに国の重要文化財に指定されていて、
このような貴重な文化財といえば普通は、本物は博物館に保管され、
レプリカが使われていることが多いのですが、
大徳寺真珠庵の襖絵は、なんと全て本物なのです。

大徳寺真珠庵の第27代住職の山田宗正和尚様が、

「そろそろ修復せなあかんのですが、その間、新たなふすま絵を、
ゲーム・アニメ・漫画を描かれている絵師に頼もうと思いますんですわ」

と、とんでもないことをおっしゃったのです。

「?????」

山田宗正和尚様がおっしゃるには、
「一休和尚の寺ですから、エブリシングOKなんですわ。はっはっは!」

…一体何がはじまるんだっ?!

新調された襖絵のコンセプトは一休さんゆかりの寺院だけに
「なんでもあり」ということで、
現在第一線で活躍するクリエーターらが作品を手がけました。

大徳寺真珠庵の特別公開日程

公開日程: 2018年9月1日(土)~12月16日(日)

公開時間: 9:30~16:00(受付終了)

拝観休止日:10月19日(金)~21日(日)

お問合せ:075-231-7105 / FAX 075-231-6420(京都春秋)

拝観料金: 大人1,200円 中高生600円、小学生以下無料(保護者同伴)

場所: 大徳寺 真珠庵

公開内容は、
現代作家6名が描く方丈襖絵
書院「通僊院」(重要文化財)(未就学児拝観不可)
茶室「庭玉軒」(未就学児拝観不可)
伝村茶珠光作「七五三の庭」

【特別公開の注意事項】

境内は撮影禁止です。
未就学児の「通僊院」(書院)および、お茶室「庭玉軒」の見学はできません。
境内は撮影禁止です。
文化財保護のため、お荷物は境内荷物預かり所にてお預かりいたします。
真珠庵にはお手洗い(男女兼用)が1つしかありません。
大徳寺駐車場のお手洗いをご使用ください。
拝観時、本堂室中はお参りいただけるよう正面の襖を開けています。
建物の構造上、車いすでの拝観はできません。
杖をお使いの方のため、杖カバーをご用意しております。
境内ではスタッフの指示に従ってください。
拝観の妨げになると判断した場合は、
拝観料をご返納の上、お引き取りいただきます。
暴風警報や大雨警報、地震など、
文化財保護の為や拝観に来られる方に危険と判断した際は、
事前の予告なく拝観休止とさせていただきます。
休止を決定した時点で当HPやFacebook、Twitterにてお知らせいたします。

大徳寺真珠庵の襖絵 漫画家ら現代作家が描く

新調された襖絵は、昨秋から制作された計45面で、
縦約1.8m、横約0.9~1.4m。

修復中の長谷川等伯や曽我蛇足の襖絵(重要文化財)計41面の代わりに、
本堂の6室に収められます。

将来的には新旧を入れ替えながら公開する予定ということです。

和尚様が指名した漫画家ら6人 現代の絵師たちの紹介

和尚様が絵師として指名したのは、
「釣りバカ日誌」でおなじみの漫画家・北見けんいちさん、
伝説のカルトアニメ「オネアミスの翼」の監督・山賀博之さん、
ゲーム「ファイナルファンタジー」のアートディレクター・上国料勇さん、
「オトナの一休さん」のイラストレター伊野孝行さん、
真珠庵で書生として暮らし、後に出家した濱地創宗さんです。

★北見けんいち 漫画家

赤塚不二夫の弟子となり、
赤塚からは何度も「お前は下手だから漫画をやめなさい」と言われるも、
持ち前の忍耐力と反骨心で遅咲きのデビューを飾る。
代表作である長寿マンガ「釣りバカ日誌」が、1
979年に連載を開始してから38年。77歳になった今も精力的に活動を行う。

別荘を構える与論島(鹿児島県)での宴、
マンガの登場人物らが島で踊る様子などを表現した「楽園」

北見けんいちさんによる「楽園」
制作 / 室中 16面

★上国料 勇 イラストレーター / アートディレクター

洋画家を経て1999年、株式会社スクウェア(現スクウェア・エニックス)に入社。ファイナルファンタジーXII、XIII、XV等、シリーズの数、
ゲームタイトルにおいてコンセプトアーティスト、アートディレクターを歴任。2017年春に同社を退社後、
株式会社フルスクラッチを設立。現在フリーランスにて活躍中。

観音世菩薩、風神、雷神、不動明王、荼枳尼天、吉祥天、龍王、弁財天が舞う。
描かれた神仏はモデルを使い、リアリティを表現。
色彩は何度も色を塗り重ね、納得いく色彩を追及。
幻の仏教都市と雲海のもとに広がる大地が完成しました。

日本画の顔料などを使い、さまざまな神仏とともに西方浄土を表現。
風神、雷神は人気グループ
「EXILE(エグザイル)」のメンバーをモデルに描いた。

「Purus Terrae浄土」
制作 / 礼の間 8面

★山賀 博之 株式会社ガイナックス代表取締役 / 映画監督

アニメ界の異端児「オネアミスの翼」監督 山賀博之
代表作として「王立宇宙軍オネアミスの翼」(原案・脚本・監督)
学生時代に設立し、自ら代表を務めるガイナックスは、
大ヒットアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の制作会社である。

「かろうじて生きている」と作者の山賀博之さん
制作 / 檀那の間 8面

★伊野 孝行 イラストレーター

NHK Eテレのアニメ「オトナの一休さん」の絵を担当。
児童書の挿絵や時代物に定評があり、
優れた紙芝居に送られる第53回高橋五山賞や、
第44回講談社出版文化賞「さしえ賞」を受賞。
著書に
『ゴッホ』『こっけい以外に人間の美しさはない』『画家の肖像』がある。

制作 / 大書院 5面

★山口 和也 美術家

瞬間の集積または痕跡による絵画/写真作品を制作する。
一人の音楽家とステージに立って、
即興で交わされる間合いから描かれる”KAKIAIKKO”で、
2000年 絵画の全国公募展関口芸術基金賞(峯村敏明・選)グランプリを受賞。
2016年に完成した観音寺本堂の天井画「鳳凰図」では、
特製花火を用いて新境地をひらいた。

制作 / 仏間

★濱地 創宗 日本画家 / 僧侶

京都精華大学芸術学部卒業後の二年半を真珠菴にて暮らす。
平成24年に出家得度、専門道場での生活を経て現在京都市在住。
大学時代より継続している絵画造形の一方で、
児童福祉施設での職務において子供のこころについて学んでいる。

制作 / 衣鉢の間 4面

大徳寺真珠庵の襖絵制作

400年間、一度も外されることのなかった襖絵を新調するという、
前代未聞の飛んでもないプロジェクト。

『現代の一休さん』と呼ばれる真珠庵の山田宗正住職は、
本来なら日本画壇の名士に依頼すると思われるのですが、
一休さんのお寺なので、
新たな襖絵を通じて若い世代に親しんでもらえたら、と…

一休さんの精神を濃密に感じる真珠庵の空間で、
現代の絵師たちは何を思い、どんな襖絵を描くのか?

現代の絵師のみなさんそれぞれの格闘っぷりはスゴイです!

描くテーマも筆力も全員違いますが、
それぞれ個性あふれる襖絵が仕上がっています。

現代の絵師による襖絵の制作は、
京都盆地の残暑の中始まりました。

現代絵師のみなさんの奇妙な合宿生活は、紅葉の季節を過ぎ、
やがてはらはらと雪が舞う中も続きました。

このようにして制作された真珠庵の新しい襖絵が、
歴史に刻まれるか否か…

それを知るのはずっと先になることかも知れませんが、
渾身を込めた鬼才たちによる襖絵の全貌に、
きっと一休和尚も驚くに違いありません。

大徳寺真珠庵の襖絵が新調 特別公開のプロジェクト

プロジェクトは「なんでもあり?」

実はこの大徳寺 真珠庵の襖絵新調プロジェクトですが、
真珠庵ではクラウドファンディングも実施しているのだそうです。

文化財の保護・保存には、莫大なお金が必要になります。

昔なら、豪商の寄進で賄えたところですが、
近頃はそうもいかないようで、
クラウドファンディングもアリということなのです。

そもそもお寺がクラウドファンディングすること自体、
型破りだと思われますが、
資金支援してくれた人に対するリターン(お礼)も、
一休さんのお寺らしく「なんでもあり」のようです。

10万円の支援をすると、6人の絵師から1人を指名して、
真珠庵で食事会をする権利が得られるのです。

プロ級の腕前を持つ住職の手料理を食べながら、
制作の裏話を聞くことができるのだそうです。

小遣いからなんとか捻出できそうな1万円までの支援でも、
オリジナルの御朱印帳や、
一般公開前の特別拝観権など、
個性あるリターンが用意されているとのことです。

現代の絵師たちの手で、今回制作される新しい襖絵は、
全て現代の絵師たちの「寄進」であり、
絵師たちは「ノーギャラ」なのだそうです。

重要文化財の襖絵の修復には膨大な費用がかかるため、
「寄進」された襖絵の一般公開の入場料で少しでも稼いで、
長谷川等伯や曽我蛇足の襖絵(重要文化財)の、
修復に当てようという狙いなのです。

大徳寺 真珠庵へのアクセス

所在地:大徳寺 真珠庵 京都市北区大徳寺町52
TEL:075-492-4991

★電車、バスでお越しの方

・京都駅烏丸口から市バス
A3のりばから市バス206系統 千本通、北大路バスターミナル行き
大徳寺前下車徒歩約7分【目安時間55分】

B3のりばから市バス205系統 西大路通、金閣寺・北大路バスターミナル行き
大徳寺前下車徒歩約7分【目安時間60分】

・京都駅から地下鉄と市バス
地下鉄烏丸線京都駅から国際会館行き→北大路駅下車
北大路バスターミナル青のりばから市バス1・101・102・204・205・206系統
大徳寺前下車徒歩約7分【目安35分】

・京阪電車出町柳駅から市バス
出町柳駅前から市バス1系統 西賀茂車庫行き、102系統北野天満宮・金閣寺行き
大徳寺前下車徒歩約7分【目安時間30分】

・阪急大宮駅、嵐電大宮駅から市バス
四条大宮のりば8から市バス206系統 千本通、北大路バスターミナル行
大徳寺前下車徒歩約7分【目安時間35分】

★お車・タクシーでお越しの方は、
京都駅から約30分、地下鉄北大路駅から約5分。
大徳寺総門(旧大宮通り沿い)南側に有料駐車場有り

あとがき

『オトナの一休さん』おもしろいですね!

子どもの頃見ていた、アニメ『一休さん』も大好きでしたが、
『オトナの一休さん』嵌まってしまいました。

ちょっとビジュアル的には想像を絶するものでしたが、
大人も子供も楽しめる斬新な番組です。

大徳寺 真珠庵の襖絵新調プロジェクトも、
一休さんの大徳寺らしい試みですね。

文化財の保存にクラウドファンディングという試みはほかにもあるようですが、
たくさんの人にそれを知ってもらうことが難しいのでしょうか。

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