北野天満宮と言えば、梅の名所として有名で、
花の時期には約2万坪の境内一円で紅白の梅が咲き競います。
その広大な梅苑では、
菅原道真公ゆかりの梅の花を愛でる梅花祭の茶会も催され、
多くの人で賑わいます。
そして初夏の頃ともなれば、北野天満宮の梅苑の梅は、
たくさんの実をつけ、梅の香りに包まれます。
北野天満宮の神域で育った梅の実には天神さまのご神徳が宿ると言われ、
正月の縁起物として大変人気があります。
北野天満宮の梅の実を使った「大福梅」や、
招福の梅の枝「思いのまま」のいずれも、
北野天満宮の神職や巫女ら職員が総がかりで奉仕する大きな行事です。
北野天満宮の梅干し大福梅の作り方
東風(こち)吹かば、匂いおこせよ梅の花、
主(あるじ)なしとて春を忘るな
これは、北野天満宮の御祭神である 菅原道真公が詠まれた詩です。
北野天満宮では、
早咲きの梅は例年12月中旬頃からつぼみがふくらみ始め、
正月明けから開花し、徐々に咲き繋ぎ、3月末頃まで長く楽しめます。
白梅、紅梅、一重、八重と、とりどりに咲く梅の下で、
二月二十五日には、梅花祭と野点大茶湯が行われます。
梅の花の時期が終わり、桜の花の時期も過ぎたころ、
北野天満宮の梅の木には、大きな梅の実が鈴なりになって、
境内は爽やかな新緑のなかに梅の香が漂いはじめます。
≪北野天満宮『大福梅』ができるまで≫
正月の縁起物『大福梅』造りは、梅の実の採集から始まります。
6月上旬から中旬頃に約1週間にわたって梅の実の採取が行われます。
収穫量は例年約2.5~3トン、といってもあまりの多さに見当がつきませんが、
一般家庭で漬けられる梅干しの壺は、2キロ程度ですので、
梅干しの壺が1500個分でしょうか。
採取した梅は、大きな樽で塩漬けにされます。
約ひと月ほど塩漬けされた梅は、7月中旬頃、
ちょうど土用の頃に、梅を樽から取り出して天日で干します。
簀子の上にむしろを敷き、その上に梅を並べた様は圧巻で、
境内全域に甘酸っぱい香りが漂います。
北野天満宮のような広大な場所があるからできることですが、
梅が広げられた筵は相当な数です。
季節は梅雨の真っさ中ということもありますので、
急に雨が降ったりしたら大ごとですよね。
筵に並べられた塩漬けの梅は、カラカラになるまで約4週間干され、
再び塩をまぶして樽に収め、11月下旬まで貯蔵されます。
11月下旬、いよいよ大福梅の調製は最終段階に入ります。
樽から取り出された梅は約6粒ずつ、
手のひら程の大きさに切りそろえた縁起物の裏白を添え、
奉書紙で包み縁起物の「大福梅」となります。
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北野天満宮の梅 招福の梅の枝「思いのまま」とは
招福の梅の枝「思いのまま」というのは、
厄除けのお守りとして用いられる北野天満宮の授与品です。
招福の梅の枝「思いのまま」は、
北野天満宮境内の梅の枝を、
剪定する時にでる梅枝(切り落とされた枝)「ずばい」に、
厄除け瓢箪をつけた授与品です。
「ずばい」は縁起が良いので、お正月の生け花にもよく使用され、
水を入れた一輪挿しにすれば、見事に美しい梅の花を咲かせてくれます。
≪招福の梅の枝『思いのまま』ができるまで≫
北野天満宮の梅 招福の梅の枝「思いのまま」に用いられる梅の枝を切るために、
梅の枝切り初め式が行われます。
梅の枝切り初め式
北野天満宮の梅 招福の梅の枝「思いのまま」は、
巫女さんによってていねいに手づくりされます。
招福の梅の枝「思いのまま」は、12月中旬から剪定して、
厄除けの瓢箪を飾りつけ出来上がります。
飾りつけの厄除け瓢箪の中には、
梅花祭の祭典に用いられる厄除玄米が入っています。
北野天満宮の梅 招福の梅の枝「思いのまま」を授与していただき、
ご飯と一緒に焚いて食します。
北野天満宮の梅 招福の梅の枝「思いのまま」で、
一年の無病息災・厄除を祈ります。
【北野天満宮梅便り】
◆黒梅(こくばい)◆
三光門横船出の庭出入り口にて開花中です。黒梅は、その名の通り枝ぶりが黒味を帯びており、花も黒味を帯びた深い緋色となっています。
釣燈籠の金色との対比が際立ちますね✨#京都 #北野天満宮 #梅 pic.twitter.com/7Shc79R3ai— 北野天満宮 北野文化研究所 (@kitano_bunka) March 7, 2019
北野天満宮の大福梅と招福の梅の枝 思いのままの授与はいつ?
≪北野天満宮『大福梅』の授与≫
北野天満宮の縁起物 大福梅は、
12月13日の事始めから、終い天神の頃まで社頭で授与します。
12月13日 朝 9:00より授与されます(初日のみ朝 8:30~)
大福梅 一袋 700円
大福梅が授与していただける終い天神は12月25日ですが、
無くなり次第終了ということで、
早めに授与していただかないとなくなることもあります。
この「大福梅」が新年の祝膳に用いられるようになったのは、
村上天皇の御代(951年)から元旦の祝膳に使われていたと記録されていますので、
平安時代の中期からのことだそうです。
≪招福の梅の枝『思いのまま』の授与≫
天神さまの神域でつぼみをつけた梅は、
まさしく「思いのまま」に白梅や紅梅の花を咲かせて、
ご家庭に春の訪れと幸せを呼び込むといわれています。
北野天満宮の招福の梅の枝「思いのまま」は、
邪気を払い、災難厄除の力が宿ることから、
ご家庭の無病息災・厄除祈願としての信仰に加え、
御祭神・菅原道真公(天神さま)の学問の神様、
芸能の神様としての御神徳がある神徳あらたかな授与品として、
参拝者に元旦の0時より授与されます。
招福の梅の枝「思いのまま」は、
初穂料1枝 1,000円(限定10,000本 無くなり次第、授与終了)
北野天満宮の北野七夕祭 御手洗川足つけ燈明神事とライトアップはいつ?
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あとがき
梅の花は、早春の雪の中で最初に花を咲かせる強靱さと、
寒さに耐えて凛と咲く花として、
草木の中の君子として四君子にも称えられるほど縁起の良い花です。
さらに、剪定された枝なのに、花が咲いたという梅の強靭さに、
是非ともあやかって、
新しい年を迎えるときには、とてもふさわしいですね。
北野天満宮へ参拝して、
大福梅と思いのまま、授与していただきたいと思います。