玄関ドアの鍵 防犯対策は万全ですか?
出かけるときの鍵かけ確認は大切です。
でも、その“鍵”大丈夫?
侵入者が鍵をこじ開けたりして忍び込んでいませんか?
窃盗犯の不法侵入については、
次々に新しい手口が報告されていて、
万全といえる防犯対策はありません。
重要なのは「防犯意識が高い」と思わせることです。
窃盗犯は防犯対策が取られた、
「開けるのに時間がかかりそうなドア」を敬遠します。
玄関ドアの不正解錠を防ぐには、
侵入者の代表的な手口を知ることで、防犯対策も取りやすくなります。
玄関ドアの不正解錠、
その手口の代表的なものには、
サムターン回し・ピッキング・カム送り解錠の3パターンあります。
鍵の不正解錠の手口を知ることで、
怖い侵入者を防ぐことができるかも知れません。
そんな危険から守るために、
自分でできる玄関ドアの鍵の防犯対策について、
点検してみてください。
防犯対策の注意点もまとめています。
玄関ドア 鍵の防犯対策 不正解錠手口 サムターン回し
サムターン回しとは、
郵便受けやドアスコープを外した穴や、
ドリルなどで開けた穴から、特殊な工具を差し込んで、
玄関ドアの内側のサムターン(ツマミ)を回して解錠する手口です。
ドアスコープは、外からでもはずすことが可能で、
侵入者は外した穴から工具を使ってサムターンを回します。
鍵付近のドア部を工具で穴を開け、その穴から工具を差し込み、
数十秒で開けられてしまうケースも報告されています。
郵便受けから手を差し込まれても、届かない場所に鍵は付いていますか?
手が届かなくても、器具を差し込みサムターンを回される恐れがあります。
直接サムターンを回すので、耐ピッキング性能や、
耐破壊性能に優れたシリンダー錠でも簡単に解錠されてしまいます。
サムターンのガードはできていますか?
サムターンとは、ドアの内側についてある開閉のツマミのことで、
親指(thumb)でつまんで回転させるため、このように呼ばれています。
サムターン回し不正解錠の対策方法
工具で直接サムターンに触れられないように、
サムターンにカバーをする方法が、一番安くできる対策方法です。
各メーカーが販売している防犯サムターンに交換すれば、より安全です。
空転するタイプや鍵付きのタイプなど、様々な製品が発売されています。
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玄関ドア 鍵の防犯対策 不正解錠手口 ピッキング
ピッキングとは、
鍵穴に専用の工具を差し込み、内側のピンを操作して不正に解錠します。
ピッキング対策に対応したカギでなければ、
1分もかからずに侵入されてしまいます。
多くの鍵メーカーが対策品を販売していますが、
未だ対策の施されていない錠前を使用されているケースも多く、
減少傾向にはありますが、
この手口を利用した不法侵入は現在でも行われています。
玄関ドアのキーをチェックしてください。
ディスクタンブラー錠やピンタンブラー錠のキーは、
比較的容易にピッキングができる鍵です。
特にディスクタンブラー錠は、最も多くの被害に遭っていますので、
早急に対策されることをお勧めします。
ピッキング対策を施している防犯性の高いシリンダーと交換することが、
最も簡単な方法です。
防犯性の高い補助錠を設置することも効果的です。
ピッキング対策に限らず、
ワンドア・ツーロック(ひとつのドアにふたつの鍵を)は、
防犯対策の基本です。
玄関ドア 鍵の防犯対策 不正解錠手口 カム送り解錠
カム送り解錠とは、
特殊な工具を用いて錠シリンダーを迂回し、
直接錠ケース内部に働きかけて、デッドボルトを作動させ解錠する手口です。
ドアから出っ張っているシリンダー錠の場合、
手前に引っ張り、その隙間から工具を差し込んで、
奥にある「カム」という部分を押して解錠します。
鍵メーカーと型番(品番)を調べてください、
シリンダーが付き出すタイプは、
カム送り解錠による不正解錠の恐れがあります。
品番はドアの横部分から見えるデッドボルト(かんぬき)の
アーマープレートの刻印から確認できます。
MIWA(美和) LA・MA/BH / LD
GOAL HD / AS・LX (レバーハンドル錠のみ対象)
SHOWA 535(535D) / 397 / CL-30
HORI 1210/1310/1110/1171/1311-64/1311-51/1311-51/1311-38
各メーカーから対策部品が出ていますので、
刻印番号を確認して、メーカーにお問い合わせください。
面付タイプ(内側に錠本体のあるタイプ)の補助錠の設置も効果的です。
その他、各メーカーより、カム送り解錠対策品として、
シリンダーカバーやスペーサ
(カム部分の隙間を埋める金具)などが販売されています。
玄関ドア 鍵の防犯対策 破壊とこじ開け
玄関ドアの鍵を、破壊・こじ開けられることがあります。
シリンダーのツボを破壊される場合や、
ドアやドア枠をバールでこじ開けられる場合があります。
ドアとドアの隙間から、
デッドボルト(かんぬき)部分が見える場合は要注意です。
シリンダー錠やドア、ドア枠は頑丈ですか?
とても手荒な手口ですが、ピッキングなどを試みてうまくいかない場合、
破壊して侵入されるケースもあるようです。
そうならないための対策方法としては、
ドアガードを取り付けて、バールがドアの隙間に入りにくくします。
デッドボルトを隠せば、抑止効果もあるようです。
シリンダーは、どんな種類でも時間を掛ければ破壊されてしまいます。
種類によっては、破壊に強くないものもありますので、
交換の際には十分に確認する必要があります。
玄関ドア 鍵の防犯対策 ワンポイントアドバイス
侵入犯は次々と新しい手口を考え出します。
4つの不正解錠の手口と、その対策方法をまとめましたが、
万全な防犯対策というものは存在しません。
時間をかければほとんどの場合、解錠が可能になりますが、
侵入者は時間をかけて侵入することを嫌います。
そのような観点から、
侵入者の嫌がるドアロックを目指す防犯対策が必要です。
防犯の基本は、ワンドア・ツーロック
これだけで侵入者から狙われにくいドアロックにすることができます。
もちろん、施錠の確認や留守を悟られないような工夫も必要です。
防犯意識を高く持つことが、一番の防犯対策だと言えます。
あとがき
留守の間に誰かが家に侵入していたら…
考えただけでゾッとします。
マンションの廊下など、誰に通らない時間があるので、
鍵をごちゃごちゃされていても、気づいてくれる人がいませんね。
『ワンドア・ツーロック』
出かけるとき、ふたつの鍵をかけて、
鍵を二つ持ち歩かなければいけないという大変さはあるけど、
それで防犯対策になるのなら、
一日も早く『ワンドア・ツーロック』にすることですね。