大豆は普段食べている食事の素材としていろいろ使われています。
大豆を意識して食べることは少ないのですが、
大豆に含まれる栄養に、
女性にとって嬉しい効果がたくさんあったことに感謝です!
美容や健康、アンチエイジングに期待して、
どんどん食べるようにしたいですね。
そんな素晴らしい大豆の栄養についてまとめてみました。
大豆の栄養は優秀なタンパク源
かつてタンパク源としての大豆や大豆食品の評価は決して高くありませんでした。
体内で合成できない必須アミノ酸をどの程度バランスよく含んでいるかを示す、
『アミノ酸スコア』が低かったからです。
1919年から使われていた『PER法』という分析方法では、
動物性食品のアミノ酸スコアが総じて高く、
牛肉や卵は100点満点でした。
これに対して植物性食品のアミノ酸スコアは低く、
体内で合成できない『メチオニン』の含有量が少ない大豆は80点とされていました。
「タンパク源として肉の方が大豆よりも優秀」という誤解はここから生じました。
PER法は成長期のラットの試験結果からアミノ酸の必要量を算出したものです。
ラットは全身を覆う体毛を育成するために、
メチオニンを多く必要としているのに対して、
“裸のサル”と言われるヒトは体毛が退化しているので、
ラットほどメチオニンを必要としないのです。
そこでタンパク質の評価基準が変わり、
1985年からは、ヒトに必要な必須アミノ酸をベースに、
『2歳児以上のすべての年齢層で、大豆たんぱく質はアミノ酸スコア100である』と、
確認されました。
さらに1990年からは、消化吸収率まで加味した『PDCAAS』という評価法になり、
大豆たんぱく質は、牛肉や卵と同じく100点満点を獲得しています。
大豆たんぱく質には、ほかのタンパク質にはない機能があります。
大豆たんぱく質の健康効果は、日本よりもアメリカで注目されていて、
一日25gの大豆タンパク質の摂取は心臓病のリスクを下げることがわかっています。
さらに、大豆たんぱく質には脂肪を燃焼させるダイエット効果も認められています。
大豆や大豆たんぱく質には糖質が含まれていますが、
その一部である『大豆オリゴ糖』は消化管で分解されないため、
血糖値を上げません。
一方、大腸まで届くと善玉菌のエサとなり、
善玉菌を活性化して腸内環境を良くする働きもあります。
大豆の健康成分とは?
良質のタンパク源である大豆に含まれる健康成分として、
脚光を浴びている物質に『イソフラボン』があります。
イソフラボンは、大豆の胚芽の部分に多く含まれているフラボノイドの一種で、
フラボノイドというのは、ポリフェノールの一種で抗酸化作用に優れています。
この大豆イソフラボンには、
吸収されにくいグリコシド型と吸収されやすいアグリコン型があり、
女性ホルモン様作用があり、エストロゲンと似ているのは「アグリコン型」です。
糖質がくっ付いていて、
大腸の腸内細菌で糖質が切り離されてから体内に吸収されます。
女性は閉経後に女性ホルモンの『エストロゲン』の分泌量がガクンと下がり、
骨が脆くなって骨折しやすくなる『骨粗鬆症』のリスクが高まります。
エストロゲンには骨を合成する細胞を活性化して、
骨を分解する細胞の活動を抑える働きがあり、
女性の骨を丈夫に保つようにアシストしています。
閉経後はこのアシストが得られなくなるため、
高齢の女性は骨粗鬆症になりやすいのです。
大豆や大豆食品からイソフラボンを摂ると、
イソフラボンがエストロゲンと似た働きをしてくれるため、
骨の代謝が改善します。
骨を構成しているのは、
タンパク質とカルシウム、マグネシウムなどのミネラルですが、
大豆や大豆食品には、
タンパク質・カルシウム・マグネシウムいずれも含まれていますから、
一石二鳥なのです。
イソフラボンは乳がんの発生率とも関係があります。
国立がん研究センターが、
40~59歳の日本人女性約2万人を、10年間追跡調査した結果、
イソフラボンの摂取量が最も低かったグループの乳がん発生率を1とすると、
最も多くイソフラボンを摂っていたグループの乳がん発生率は、
半分以下の0.46に抑えられていました。
閉経後の女性に限ると、
同じくイソフラボンの摂取量が最少だったグループを1とすると、
摂取量が最大だったグループの乳がん発生率は3分の1以下の0.32に抑えられたのです。
女性には嬉しい効果が満載ですが、男性にとってもイソフラボンは有効です。
老化やガンを引き起こす活性酸素の害を抑える抗酸化作用に優れているからです。
このほか、大豆や大豆食品に含まれる『レシチン』という脂質のうち、
『ホスファチジルコリン』は、細胞を包む細胞膜や神経細胞の成分として重要です。
大豆の栄養価
大豆は、マメ科の一年草で、完熟種子は主に搾油の原料となり、
脱脂後の絞り粕は飼料として利用されている。
食用にもなり特に東アジアでは様々な利用形態が発達していて、
未成熟の種子は枝豆と呼ばれます。
大豆たんぱく質には、血中コレステロールの低下作用や、
肥満の改善効果などの生理機能があるといわれています。
また大豆には、脂質、炭水化物、食物繊維、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ビタミンE、ビタミンB1、葉酸など様々な栄養素が含まれます。 一方、大豆はコレステロールを全く含んでいません。
カロリー (kcal) 451
脂質 23 g
飽和脂肪酸 3.1 g
多価不飽和脂肪酸 11 g
一価不飽和脂肪酸 5 g
ナトリウム 2 mg
カリウム 1,800 mg
炭水化物 31 g
水溶性食物繊維 1 g
不溶性食物繊維 16 g
タンパク質 34 g
ビタミンC 0 mg カルシウム 250 mg
鉄 9 mg ビタミンB6 0.5 mg
マグネシウム 250 mg
大豆は豆そのものだけでなく、加工食品の豆腐、油揚げ、ゆば、納豆、きな粉など、
日本人の食卓になじみ深い食品です。
大豆は良質のたんぱく質を多く含み、
アミノ酸の組み合わせが動物性たんぱく質に似ているため、
“畑の肉”と呼ばれ、肉食がなかった時代の日本人にとっては、
重要なタンパク源でした。
タンパク質の次に脂質も多く含まれますが、
リノール酸やレシチンなどの不飽和脂肪酸を主としていて、
動物性脂肪のようにたくさんのコレステロールがないので安心です。
ビタミンでは、B群、E、K、ミネラルではカルシウム、カリウム、鉄、
それから近頃注目を浴びているポリフェノールの仲間イソフラボンや、
サポニン、コリンといった物質も見逃せません。
そんな大豆は、栄養の総合評価抜群なのです。
こんなにも優れものの大豆ですから、
様々な効能効果が期待できます。
ダイエット効果については、
サポニンが小腸に働き、体脂肪のカットに役立ちます。
動脈硬化の予防については、
アルギニンというアミノ酸や、イソフラボンは、
血中コレステロールを減少させます。
骨を丈夫にということでは、
女性にとって心配な骨粗鬆症予防にイソフラボンが活躍!
肝機能に良くない過酸化脂質の増加を防ぐサポニン!
脂肪の酸化を予防するビタミンEが効果を発揮!
美肌作りに、
皮脂の過剰分泌を抑えるビタミンB群!
老化防止のビタミンと言われるビタミンEが血行をよくし、
新陳代謝も活発に!
その他、脳の神経伝達物質のパワーを高めるともいわれている、
効能効果がいっぱいの大豆をぜひ常食したいものです。
あとがき
大豆のチカラは凄いですね!
大豆料理というよりも、
大豆を使った食材、お豆腐や納豆、お揚げやみそ、しょうゆなど、
普段意識せずに食べていた大豆のこと、
もっと知って、献立を考えたいですね!