酉の市とはどこの神社で行われる祭事で、
2018年はいつに当たるのでしょうか?
酉の市ではアニメの聖地鷲宮神社も賑わうそうですが、
三の酉まである年は火事が多いというのは何故なのか?
また縁起物の熊手の由来についてまとめました。
酉の市とは2018年はいつ?
「酉の市」とは、11月の酉の日に行われる鷲(おおとり)明神の祭礼で、
2018年(平成30年)の酉の市は11月1日・11月13日・11月25日です。
鷲明神は、大阪府堺市の大鷲神社(おおとりじんじゃ)が本社で、
東京及び東京近郊の大鷲神社はその末社と言われています。
「おとりさま」と呼ばれる酉の市は、高いところを飛ぶ大鳥にあやかって、
出世や縁起をかついで参拝する江戸の武士や町人たちで賑わいました。
本来、武運を守護するとされてきた大鷲神社には、武士の参詣が多かったのですが、
次第に開運や商売繁盛の神社として参詣する人が多くなり、
特に客商売の料理屋や役者などの信仰を集めたとされています。
酉の市は十三日目ごとに回ってくるものですが、
11月の初酉を「一の酉」、二番目を「二の酉」、三番目を「三の酉」といい、
一の酉が最も重んじられてきました。
現在も、酉の市は関東地方で盛んに行われていて、
大鷲神社(東京都足立区)は、江戸酉の市の発祥の神社といわれ、
鷲神社(東京都台東区)は、日本最大の酉の市として有名です。
酉の寺・長國寺(東京都台東区)こちらは神社ではなくお寺なのですが、
浅草酉の市の発祥の寺として多くに人がお参りに来られます。
花園神社(東京都新宿区) 大國魂神社(東京都府中市)どちらも、
関東三大酉の市のひとつとして知られていています。
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酉の市 聖地鷲宮神社はアニメの聖地?
埼玉県久喜市にある鷲宮神社で開かれる酉の市は、
近頃、海外からの参拝者が一気に増加しているということです。
その鷲宮神社は、関東では最も古い大社と伝えられ、
「お酉様の本社」と称されていますが、
京都や奈良からの時の権力者が、関東に進出する際、
関東の鎮守として神を祀るために建立したそうです。
その後、日本武尊(ヤマトタケル)をはじめ、坂上田村麻呂や源義家、源頼朝らが崇敬し、
鷲宮神社で武運長久を祈ったと言われています。
鷲宮神社の御祭神は、
天穂日命(あめのほひのみこと)、武夷鳥命(たけひなとりのみこと)、
大己貴命(おほなむぢのみこと)の三神で、
ご利益は商売繁盛・出世金運、交通安全、縁結び・家内安全などです。
このように古代からの歴史を持つ神社なのですが、
以前は地元の人が訪れるくらいのひっそりとした神社でした。
ところが、2007年からテレビアニメで放送された、
『らき☆すた』のモデルになった神社として知られるようになると、
アニメファンが押し寄せ始めました。
2006年までは初詣の参拝者数はおよそ9万人だったのですが、
今では40万人以上という賑わいぶりです。
商売繁盛のご利益がある、主祭神・天穂日命の霊験かも知れません。
アニメイラスト入りの絵馬が奉納され、さまざまなお願い事をする若者であふれる光景に、
神社も地元の人々も最初はびっくりしていましたが、
この現象は町おこしへと発展していきました。
今では町ぐるみで遠方からの参拝者の受け入れに取り組んでいて、
台湾や韓国、香港からのアニメファンも参拝に訪れているそうです。
アニメを発端に盛り上がりを見せている鷲宮神社ですが、
この機にパワフルなご利益を頂きに参拝するのもいいかもしれません。
鷲宮神社では、初酉の日には『大酉祭』が行われ、
酉の市では熊手などの縁起物がたくさん並び、
商売繁盛を願う人や海外からの参拝者に人気です。
酉の市で三の酉まである年は火事が多いというのは?
2018年(平成30年)の酉の市は11月1日・11月13日・11月25日で、
三の酉まである年です。
ちなみに、三の酉まである年は火事が多いと言われていますが、
これは「宵に鳴かぬ鶏が鳴くと火事が出る」という俗信によるものです。
しかし、三の酉の頃になると、次第に寒さも増して、火を使う機会も増えることから、
注意を喚起する意味もあったようです。
「酉の日」は、毎日に十干十二支を当てて定める日付け法で、
「酉」に当たる日のことをいいます。
「酉の日」は、12日おきに巡ってくるわけで、
ひと月は30日なので、その年の巡り合わせによって、
11月の酉の日は2回の年と3回の年があります。
初酉を「一の酉」、次を「二の酉」、3番目を「三の酉」と呼び、
「三の酉」まである年は火事が多いという俗説は有名です。
そのため、三の酉がある年には平年にもまして、
歳末にかけて、社会一般で火の用心が心がけられ、
熊手を売っている出店の多くは縁起物の熊手に、
「火の用心」のシールを貼って売りだしています。
しかし、三の酉はおよそ一年おきにあるため、
さほど珍しいわけではないようです。
また、浅草の鷲神社 (台東区)・酉の寺 長國寺では、その昔吉原が近かったので、
酉の市にかこつけて旦那衆が家を空け吉原に遊びに行くのを防ぐために、
家の女房が三の酉は火事が多いと言ったとの説もあるということです。
酉の市の縁起物 熊手由来とは?
「酉の市」といえば縁起物の熊手が名物です。
祭りの当日には境内に市が立ち、農具の熊手が物をかき寄せることから、
福運や富を集める道具に見立てられ、
飾り付きの熊手が、
「福をかき込む」「福を酉(とり)込む」という縁起担ぎで売られています。
稲穂を添えた熊手をはじめ、檜扇やおかめ、千両箱、大判、小判、宝船、鶴亀など、
あらゆる縁起物で飾られた熊手が、
たくさんの出店に所狭しと並んで売られます。
縁起物の代表である熊手は、鷲が獲物をわしづかみすることになぞらえ、
その爪を模したともいわれ、
福徳をかき集める、鷲づかむという意味が込められています。
熊手は、熊手を売っている出店の人と熊手を買うお客が、
買った(勝った)、まけた(負けた)と、
気っ風の良いやり取りを楽しんで買うものとされ、
商談が成立すると威勢よく手締めが打たれるます。
熊手の値段をまけさせて、
その差し引いた分を店側に「ご祝儀」として渡すことを「粋な買い方」とする人もおり、
手締めはこの「ご祝儀」を店側が受け取った時に行われる事が多いのです。
つまり、この方法でいくと結局は定額を支払っているわけなのですが、
ご祝儀については明確に決まっているわけではなく、
差し引き分以上の場合もあれば、小銭程度であったりと、
買い手側の気持ち一つというものです。
熊手は大小様々なものが売られていて、
主に売り手の思惑により年々大きくしてゆくものともされています。
縁起物だから・・・と、ついつい気前よくなってしまう、
そこに付け込む売り手側の作戦。
まさに商売繁盛の神様がそこには宿っておられるようです。
あとがき
『酉の市』の話が出ると、
そろそろ年の瀬だな~って思えて、
年末の準備に入る合図のようです。
関東地方の方が盛んにおこなわれる風習のようで、
関西では、年が明けてからの『えべっさん』で笹を買うようなものですね。