皇居東御苑内にある三の丸尚蔵館では、
皇室に代々受け継がれてきた美術品などがたくさんあり、
展覧会として公開されています。
三の丸尚蔵館にどのようなものが所蔵されていて、
展覧会の開催期間はいつなのか、
展覧会の開館時間や休館日、入場料についてご案内します。
また、皇居にある
宮内庁三の丸尚蔵館への行き方アクセスをご紹介します。
三の丸尚蔵館 収蔵品の見学方法と入場料は?
三の丸尚蔵館(さんのまるしょうぞうかん)とは、
東京都千代田区千代田の皇居東御苑内にあり、
宮内庁が所管する博物館施設です。
三の丸尚蔵館は、昭和から平成にかけて、
皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などの美術品類が、
数多く所蔵されています。
平成元年6月、皇室から国に寄贈されたのを機に、
これら美術品を環境の整った施設で大切に保存・管理するとともに、
調査・研究を行い、併せて一般にも展示公開することを目的として、
平成4年9月に皇居東御苑内に建設され、翌年11月3日に開館しました。
当初は保存研究を主目的とした収蔵施設として建設を計画し、
収蔵品の公開については博物館・美術館への貸出等を行って、
展示することを検討されていましたが、
皇室の意向により当館内に展示室を設けることになったということです。
平成8年10月に故秩父宮妃のご遺贈品、
平成13年4月に香淳皇后のご遺品、
平成17年10月に故高松宮妃のご遺贈品、
さらに平成26年3月には三笠宮家のご寄贈品が加わり、
現在約9,800点の美術品類を収蔵しています。
そのラインナップは、
小野東風、藤原佐理、藤原行成、三跡の真筆ほか貴重な書跡、
室町時代以降の漆工品、高村光雲、山崎朝雲らの明治期の彫刻、
絵画では、『春日権現験記絵巻』『北野天神縁起絵巻』といった絵巻物、
狩野派、琳派、円山四条派などの近世絵画、
近代の日本画ほか著名な中国絵画などと、質、量ともに実に豪華です。
三の丸尚蔵館の所蔵品が、国宝や重要文化財等に指定されていないのは、
それらを宮内庁が管理しているので、
国宝や重要文化財として国が保護する必要がないからです。
平成5年に開館した「三の丸尚蔵館」は、
地上2階建て、総床面積約1600平方メートル、
1階には約160平方メートルの展示室と売店を設けたほか、
約1000平方メートルの収蔵庫を備えています。
三の丸尚蔵館は皇居東御苑の中にあり、
展覧会の開催中 入館は無料です。
皇居東御苑は、
旧江戸城の本丸・二の丸・三の丸の一部を宮殿の造営にあわせて皇居附属庭園として、
整備されたもので、昭和43年(1968)から公開されています。
皇居東御苑が一般公開されて以来、三の丸尚蔵館の入場者も年々増えていき、
2016年には600万人を突破しました。
宮内庁はこうした当館入館者の増加傾向を受け、
新館建設により
『動植綵絵』30幅が並ぶ程度の展示スペースに拡充させることを考え、
2015年12月、改修と新館建設に関する基本構想がまとまり、
2016年1月、宮内庁より新館建設が公表されました。
総床面積は既存部分の約3倍となる4800平方メートル、
展示室は360平方メートル、収蔵庫は約1800平方メートルに拡張されます。
このほか皇居の概要や皇室の歴史などを紹介するコーナーも新たに設けます。
完成予定は2022年度となっています。
残念ながら常設展示はなく、すべて企画展として展示されるため、
いつでも見たいものが見られるというわけではありません。
何度も足を運んで優れた所蔵品の数々を堪能したいものです。
菊葉文化協会は皇室の文物の管理公開、調査研究を目的に設置された協会です。
平成30年版皇室御一家(皇室カレンダー)や展覧会の図録を扱っています。
菊葉文化協会http://www.kikuyou.or.jp/
図録は数に限りがあるようです。
https://kyoumi.click/5979.html
天皇皇后両陛下は8日、皇居で開かれているお二人の歩みを短歌で振り返る特別展を訪れ、初めて一般に公開されている両陛下の肖像画などもご覧になった。この特別展は、来月21日まで皇居の「三の丸尚蔵館」で開かれている。https://t.co/stXnj3jwDf
— NHK@首都圏 (@nhk_shutoken) March 8, 2019
三の丸尚蔵館 展覧会の開催期間と休館日は?
第81回展 「春日権現験記絵-甦った鎌倉絵巻の名品-」(修理完成記念)
開催期間:平成30年8月18日(土)~10月21日(日)
第82回展「明治美術の一断面-研ぎ澄まされた技と美」(仮称)
開催期間:平成30年11月3日(土・祝)~平成30年12月24日(月・振休)(予定)
(10月22日(月)~11月2日(金)展示替えのため休館)
入館は無料です。
開催日と入館時間を確認して行かれるようにしてください。
展覧会の開催情報等については、
テレホンサービス(03-5208-1063)で、24時間ご案内しています。
休館日は次のとおりです。
(休館日)
10月 1 5 9 12 15 19 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
11月 1 2 5 9 12 15 19 26 27 28 29 30
12月 3 7 10 14 17 21 23 25 26 27 28 29 30 31
休館日は展覧会期間中の毎週月曜日、金曜日
ただし、天皇誕生日以外の「国民の祝日等の休日」は開館します。
なお、月曜日が休日で開館する場合は、翌火曜日を休館します。
展覧会の準備期間
年末年始(12月28日~翌年1月3日)
行事の実施、その他やむを得ない理由のため支障のある日
三の丸尚蔵館の開館期間と開館時間は次のとおりです。
3月1日~4月14日 午前9時~午後4時15分 (入館は午後4時まで)
4月15日~8月末日 午前9時~午後4時45分 (入館は午後4時30分まで)
9月1日~10月末日 午前9時~午後4時15分 (入館は午後4時まで)
11月1日~2月末日 午前9時~午後3時45分 (入館は午後3時30分まで)
★三の丸尚蔵館展覧会
【三の丸尚蔵館 第81回展覧会】
「春日権現験記絵-甦った鎌倉絵巻の名品-」(修理完成記念)展示物について
平成30年8月18日(土)~平成30年10月21日(日)
鎌倉時代の絵巻の名品《春日権現験記絵》は、
延慶2年(1309)3月の年記をもつ付属の目録によって、
藤原氏一門の左大臣西園寺さいおんじ公衡きんひら(1264~1315)が、
その制作と春日社への奉納を計画し、
絵を宮廷絵所預の高階たかしな隆兼たかかねが担当、
詞書を前関白鷹司たかつかさ基忠もとただの父子四人が記したことなど、
制作時の事情が明確な絵巻です。
また、詞書が記され、
優れたやまと絵技法により色彩豊かに精緻な画面が描かれているのは高価な絹であり、
その経年変化で劣化しやすい画面は、
一場面も欠けることなくほぼ完全な姿で伝わっています。
さらに表紙などの装丁、収納箱なども含め、総てが制作当初の姿を伝えており、
数ある名品の中でもその貴重性は際立っています。
伝来、絵巻の内容、描写技法など、
いずれをとっても優れた芸術性、歴史性を示す本絵巻は、
日本文化を代表する絵巻の名品として揺るぎないものと言えましょう。
ところで、本絵巻は、
春日大社の重宝として厳重な管理を受けて伝えられていたもので、
江戸後期に何らかの事情で鷹司家の所有となった後、
明治初期に皇室に献納され、それ以降は御物の名品の一つとして保護されてきました。
そして、平成に入ってその保存管理を担うことになった三の丸尚蔵館では、
絵巻を後世へ継承していくには危険な状態になっていると判断し、
専門家との調査、検討を経て、
平成16年度から13カ年をかけて本格的な保存修理を行いました。
この平成の大修理とも言える事業は、本絵巻の芸術性,歴史性とその貴重性を考慮し、
それを損なわない形での修理方針を明確にした上で、
絵具の光学的・科学的調査を加え、最も確かで安全な修理技術によって実施しました。
また、絵巻の表紙裂の復元には、
皇后陛下が紅葉山御養蚕所でお育ての小石丸の糸を頂戴しました。
さらに、軸首の復元に関わっていただいた、
螺鈿技術の重要無形文化財保持者(人間国宝)の北村昭斎氏をはじめとして、
日本文化の伝統を継承されてきた方々の総力を結集した本事業は、
技術や材料においても日本の伝統を後世へ伝えるという大きな意義を果たしました。
【三の丸尚蔵館第82回展覧会】
「明治美術の一断面-研ぎ澄まされた技と美」(仮称)
平成30年11月3日(土・祝)~平成30年12月24日(月・振休)(予定)
本展の出品作品にみられる素材と技術・技法が織りなす造形美を通じて、
モノづくりの伝統を誇りとしてきた日本文化の古層に注目したいものです。
宮内庁三の丸尚蔵館への行き方やアクセスは?
三の丸尚蔵館の場所は、皇居東御苑内にあります。
皇居東御苑の略図
地下鉄の大手町駅を地上に上がると1~2分で内堀通りに辿り着き、
信号を渡ると皇居東御苑入り口です。
大手門をくぐるとすぐに管理事務所があり、
ここで入園票をもらいます。
進行方向のすぐ右手に見えるのが宮内庁三の丸尚蔵館です。
四季折々の草花に囲まれた皇居内という緑豊かな環境で、
数々の皇室のお宝を楽しむことができます。
宮内庁三の丸尚蔵館
住 所 千代田区千代田1-1
電 話 03(3213)1111(代)
土・日曜日の連絡先 03(3213)1177
[出入門及び最寄り駅から三の丸尚蔵館までの所要時間]
★坂下門へ
地下鉄千代田線二重橋前駅(6番出口)又は地下鉄三田線大手町駅(D2出口)から約650m(徒歩約15分)
JR東京駅(丸の内中央口)から約1,000m(徒歩約20分)
★桔梗門へ
地下鉄千代田線二重橋前駅(6番出口)又は地下鉄三田線大手町駅(D2出口)から約350m(徒歩約10分)
JR東京駅(丸の内中央口)から約700m(徒歩約15分)
★大手門へ
地下鉄各線の大手町駅(C13a出口)から約200m(徒歩約5分)
地下鉄千代田線二重橋前駅(6番出口)から約700m(徒歩約10分)
JR東京駅(丸の内北口)から約1,000m(徒歩約15分)
★平川門へ
地下鉄東西線竹橋駅(1a出口)から約200m(徒歩約5分)
★北桔橋門へ
地下鉄東西線竹橋駅(1a出口)から約400m(徒歩約5分)
あとがき
都心の中とは思えないほど深い緑の中に位置しています。
四季折々の草花が鑑賞できるので、
いつの季節に行っても緑が鑑賞できて素敵なところです。
三の丸尚蔵館の展覧会は他で見られないような、
歴史あるものがたくさん観られます。
新館建設の完成が待ち遠しいです。