アントシアニンはフラボノイドの一種で、
花や果実などに広く分布する色素成分です。
ブドウやベリー類のアントシアニンが
比較的よく知られていますが、
最近では、すぐれた安定性や美しい色調に加えて、
肝機能改善効果などを有することから、
紫サツマイモ(アヤムラサキ)の
アントシアニンも注目されています。
そんなアントシアニンがカラダにもたらす効果や、
効果的な摂取方法についてまとめました。
アントシアニンを含む食べ物で含有量が多いのは?
アントシアニンとは青紫色をした天然色素の一種で、
ブルーベリーや紫キャベツ、ナス、赤シソなどの
野菜や果実に含まれています。
眼精疲労の予防・回復や
目の働きをアップさせる効果があるとも言われていて、
近年はアントシアニンを含むサプリメントなども
多く販売されています。
そんなアントシアニンですが、
実は紫外線から体を守る効果も期待できます。
アントシアニンは、
サプリメントなどで摂取することもできますが、
身近にある野菜から体内にとり入れることもできます。
アントシアニンが豊富に含まれているのは、
ブルーベリー、ぶどう、プルーンなどの果実や、
紫いも、赤たまねぎ、紫キャベツ、赤シソなどの野菜類です。
赤たまねぎは、
普段料理にあまり使用しないという人もいるかもしれませんが、
辛みが少ないのでサラダにしておいしく食べることができます。
もちろん、
白いたまねぎと同様に炒め物や煮物などの
火を通す料理に使ってもOKです。
赤シソはきれいな色が出るので、
ジュースにしたりシロップにしたりするのもおすすめです。
■アントシアニンを多く含む食べ物
・ブラックチョークベリー(アロニア)1480mg/100g
日本では、北海道や東北で栽培されているようです。
生の果実には渋み・苦味があるため、
ジャムやジュースのような加工食品にするのが一般的です。
・ビルベリー 約1000mg/100g
サプリメントの原材料として知られるビルベリー。
北欧生まれで、
地域によっては日本では栽培が難しいようです。
日本ではジャムやジュース、
サプリメントで見かけることが多いようです。
・カシス 476mg/100g
ブラックカラント、黒スグリとも呼ばれています。
傷みやすいため、生のままではなく、
ドライカシスやジャムなどの加工食品にして
流通することが多いようです。
・いちご 21.2mg/100g
いちごの赤い色は、実はアントシアニン由来の色です。
一日10個ほど食べれば、
アントシアニンの一日の摂取量を満たすと言われています。
・赤ジソ 420mg/100g
梅干しなどの漬物に使うほか、
ジュースやシロップにすると爽やかな味が楽しめる
おいしい飲み物になります。
・アヤムラサキ(紫芋) 369.1mg/100g
彩りの良さから、そのまま食べるのはもちろん
お菓子などにもよく使われる紫芋。
煮物にすれば、アントシアニンがたっぷり摂れます。
・紫キャベツ
アントシアニンは、
酸性になると赤色になる性質があるため、
酢漬けやマリネにすると目にも鮮やかな一品になります。
・なす 85.7mg/100g
アントシアニンは水溶性なので、
アク抜きのためになすを長く水につけていると
せっかくの成分が水に溶け出してしまいます。
調理する直前に切ってすぐ加熱することがポイントです。
・紫玉ねぎ 48.5mg/100g
スライスしてサラダにしたり、
ピクルス液につけてピクルスにすると鮮やかな色が楽しめます。
アントシアニンの効果は何?
アントシアニンとは、
ポリフェノールの一種で強い抗酸化作用を持つ成分です。
ブルーベリーなどに多く含まれ、
目の働きを高める効果や
眼精疲労を予防する効果があると言われています。
ものを見る時にかかせない物質の合成を助け、
すっきりクリアな毎日へと導いてくれる健康成分なのです。
人は、酸素を取り入れてエネルギーにする一方、
取り入れた酸素をエネルギーとして使用した際に
「活性酸素」というものを発生させます。
少量であれば人体に有益に働くものの、
大量に増えると、
生活習慣病やガンなどを引き起こす原因と言われており、
老化にも深い関わりがあります。
アントシアニンは、
この活性酸素の増加を防ぐ
「抗酸化作用」が非常に優れており、
病気の予防だけでなく、
髪や肌を若々しく保つ
「アンチエイジング」にも強い効果を発揮し、
シワやシミ、たるみと言った
加齢と共に増える肌のトラブルにも有効的です。
黒大豆の特徴である黒い皮。
その皮に含まれる黒大豆ポリフェノールは
抗酸化作用により
老化防止・血流の改善・血圧の抑制などの効果をもたらします。
また、最近の研究により、
内臓脂肪を減らし高血糖を抑えるなど
抗メタボ効果があることも明らかとなっています。
他には
・イソフラボン
大豆の一種である黒大豆は、
普通の大豆と同様にイソフラボンを含んでいます。
イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをし、
更年期障害、骨粗しょう症や乳がんの予防に効果があります。
・レシチン・コリン
あらゆる細胞の新陳代謝に不可欠なレシチン。
このレシチンから生成されるコリンは
脳の情報伝達物質の材料であり、
脳を活性化し記憶力や集中力を高めるなど
健脳効果を期待されている成分です。
・たんぱく質
大豆は肉と同じくたんぱく質が豊富に含まれることで有名です。
しかも、
大豆のたんぱく質は、
必須アミノ酸9種をバランスよく含んでおり、
理想的な栄養価を持つといえます。
他には、カリウムなどのミネラル、食物繊維、オリゴ糖、
ビタミンB群、ビタミンEを含んでいます。
アントシアニンの効果的な摂取方法は?
アントシアニンを効果的に摂取する方法は、
サプリメントや生ジュースという方法が良く知られています。
他には、
アントシアニンを多く含む、
野菜を調理して摂取する方法もあります。
ここでは、
アントシアニンを有効に摂取するレシピを紹介します。
■アントシアニンたっぷりブルーベリージャム
ブルーベリーの果皮には
「アントシアニン」という紫色の色素が含まれます。
アントシアニンは、
目の中の網膜にあるロドプシンという物質の
再合成を助ける作用があります。
ロドプシンは、目を使っていると徐々に分解されます。
通常はすぐにまた再合成されますが、
目を酷使しつづけると再合成がうまくいかないため、
ロドプシンの再合成を助けてくれる
アントシアニンを摂取することで、
目の感度を向上させることが期待できるのです。
特にロドプシンは、
暗いところでの視力(夜間視力)に関係があると言われます。
一説に、第2次世界大戦中、
夜間でも敵機がよく見えて、
戦果をあげていた英国パイロットが、
ブルーベリーをよく食べていたことから
目との関係を調べる研究が始まった、
とのエピソードがあるほどです。
材 料(10人分)
冷凍ブルーベリー 400g
砂糖 200g
レモン汁 1/2個分
作り方
①鍋にブルーベリーを入れ、砂糖をふりかけ、
1時間位置いて、水分を出す。
②弱火にかけブルーベリーから水分がよく出たら、
中火~強火で、煮詰める。
とろみがついたらレモン汁加え、一煮立ちし、火を止める。
③瓶に入れ、冷蔵保存する。
■紫玉ねぎの塩レモン和え
紫玉ねぎには、
硫化アリルという栄養成分も含まれています。
硫化アリルは紫玉ねぎの辛み成分であり、
包丁で切った時に涙が出てくるのは硫化アリルが原因です。
硫化アリルの効能の代表的な効能としては、
血液をサラサラにしてくれることです。
これは硫化アリルが、
血液中のコレステロール値の上昇を抑制する効果があることで
血液がドロドロになるのを防いだり、
血糖値を下げる働きがあります。
この働きによって血中コレステロール値の値を低下させたり、
高血圧や動脈硬化の予防効果も期待されています。
紫玉ねぎの特徴は、その色にあります。
紫玉ねぎの鮮やかな紫色はアントシアニンによるものです。
材 料(4~8人分)
紫玉ねぎ(玉ねぎ)1個
Aレモン汁 1個
A塩 2つかみ
A追いかつおつゆ(2倍濃縮) 大さじ1.5
A胡麻 大さじ1
作り方
①紫玉ねぎをスライサーでカットして
浸かるように冷水(氷1個)に5分さらします。
水をしっかり切ります。
②容器に調味料Aを混ぜて、1番に入れてあえます。
器に盛って、胡麻を飾りますので少し残しておきます。
レモンの酸味が苦手な人は半分にしてください。
■黒米とかぼちゃのおかゆ
材料(3〜4人分)
うるち米 100g
黒米 40g
かぼちゃ 150g
水 1.4L
塩 小さじ1
作り方
①うるち米と黒米は一緒に洗い、ザルに上げておきます。
②かぼちゃは種を除いて、小切りにします。
③鍋に分量の水を入れ、沸騰したら、一気に①の米類を入れます。
④再び沸騰したら、かぼちゃと塩を入れます。
アントシアニンを
有効に摂取する方法を紹介しました。
他にも、
ナスの煮びたしも、アントシアニンを摂取する事ができます。
アントシアニンは、ナスの皮に含まれているので、
ナスの皮は剥かないで調理する事をおススメします。
あとがき
アントシアニンの効果は
短時間しか持続しないと言われています。
一度にたくさん摂取しても
体内に蓄えておくことができないので、
一度に大量摂取するのではなく、
なるべく時間をあけずに、
こまめに摂取するようにしましょう。
食べ物で、摂取する事が難しい場合は、
サプリメントで摂取しましょう。
この場合は、飲み忘れが無い様に、
食後に摂取する事をおススメします。