おみくじやお守りなどの授与品をいただくのは、
参拝の楽しみの一つです。
お守りの種類は、きっと願いごとの数だけあって、
おみくじは、大吉・吉・中吉・小吉・凶などの、
吉凶の語で書かれることが多いようです。
御朱印同様、昨今の神社ブームに乗って、
お守りもおみくじも可愛い物や変わったものを、
神社仏閣でも工夫されているようですね。
人気の高い可愛いおみくじとお守りをご紹介します。
神社仏閣の授与品 おみくじやお守り
『授与品』とは、お札やお守り、
破魔矢や熊手といった神社仏閣から授けられるものを言います。
仏教の護符が平安時代にポピュラーになりましたが、
護符をまねたものがお札で、神様の名前やその力を象徴するような、
図案化した文字が書かれ、
家の神棚に祀ったり、門や戸口、柱などに貼って魔除けとされてきました。
この魔除けのお札を身に着けたり、
携帯できるようにコンパクトにしたものがお守りで、
袋守、守札ともいいます。
はじめは女性達のあいだで、
お札を首から下げるのが流行ったことから、
巾着型の布袋などになっていったようです。
お札やお守りは“祈祷された神様の分霊”なので、
清潔に保つように心がけてください。
お札やお守りを大切に持ち続けていても、霊力には期限がありますので、
一年経ったら新しいものを授与して頂き、
古い物は納札所に納めるようにしましょう。
また、
いくつもの神社のお守りなどを、
いっしょに持つのはどうなんだろうと思われる方も多いと思いますね。
神様同士がケンカするのではと心配になってしまいますが、
「日本はもともと“八百万の神”の国ですから、
それぞれの神様が協力して守ってくれるのです」と、
『神社庁』でも言われています。
ですから安心して複数持っていても良いようです。
ところで、お御籤はどうでしょうか?
“おみくじ”というものが登場したのは、
鎌倉時代初期のころと伝わっています。
南北朝時代の『増鏡』という歴史物語に、
『四条天皇崩御にあたり、第三代執権の北条泰時が鶴岡八幡宮でおみくじを引き、
跡継ぎを決めた』という記述を見ることができます。
これが神社でおみくじを引いた最初の例とされていますが、
古代から政権の後継者を決める時などには、
神の意思を仰ぐためにくじ引きをするといったことは行われていたようで、
その籤引きが、今のおみくじの起源になっていると言われています。
現在では、みくじ棒やみくじ箋からおみくじの自動販売機にいたるまで、
おみくじの形態にもさまざまありますが、
昔は“籤”を自分でいくつか用意するのが一般的だったようです。
ところで、おみくじを引いて、
「やったー、大吉だ!」
「ヤダー、凶だよ!」と大騒ぎしていますが、
おみくじはただの占いとは違って、あくまで神意の表われですから、
大吉が出ても、
「このように努力すれば大吉となるでしょう」
凶が出ても
「このようなことに気をつければ災いは防げるでしょう」
ということで、
“ありがたい神様のお告げ”ととらえたいものです。
神社などではよく境内の樹木にお御籤を結び付けている姿も見うけられますが、
それはやめたほうが良いと思います。
樹木に結ぶという行為は、木にとってあまりよくありませんし、
とても無作法なことなのです。
お御籤を結ぶ場所を神社によって用意していますので、
おみくじを結びたいときはそこに結ぶようにして、
もしそのような場所がない場合は、持ち帰るようにしましょう。
おみくじは神様からのメッセージですから、
普段から持ち歩くようにするのが良いのではないでしょうか。
また次に新しいおみくじを引いたときには、
古いおみくじを神社に納めるようにしてください。
神社仏閣の授与品 おすすめのかわいいおみくじ
神社仏閣を参拝したときに引くおみくじは、
神仏から届くメッセージです。
春日大社 鹿みくじ 白鹿みくじ
春日大社は、世界遺産登録の由緒ある神社です。
古代から神域とされた御蓋山(みかさやま)一帯に広がる、
全国の春日大社の総本社で、
春日の神様のお使いとして大切にされる鹿がモチーフになったお御籤です。
お御籤をくわえた鹿の姿がかわいいおみくじで、
陶器製と一刀彫のものがあります。
春日大社
奈良県奈良市春日野町160
0742-22-7788
和布刈神社(めかりじんじゃ) ふくみくじ
関門海峡名物、“ふく”にちなんだ張子製の色とりどりのおみくじです。
和布刈神社は、九州最北端に位置し、
海上の守護神として古くから信仰を集める神社です。
関門海峡の地域では、フグのことをふくと呼び、
コロンとした愛嬌のあるフォルムで素朴な表情が何とも言えない、
張り子製のおみくじで、
専用の竿を使って、選んで釣り上げるのが楽しいおみくじです。
和布刈神社
福岡県北九州市門司区大字門司3492
093-321-0749
日吉大社 神猿みくじ
魔除け、厄除けの信仰を集める日吉大社の、
神猿さんのご加護を受けるおみくじ
日吉、日枝、山王神社、約3800社の総本宮として、
比叡山の麓に鎮座するのが日吉大社で、魔除けの象徴として扱われるのが、
神の使いである神猿(まさる)さんです。
つぶらな瞳で見上げる感じがたまらなくかわいい神猿みくじは、
“摩去る”と“勝る”のご利益があります。
日吉大社
滋賀県大津市坂本5-1-1
077-578-0009
住吉大社 十二支土人形
“すみよっさん”の愛称で親しまれている、
摂津国の一之宮が住吉大社です。
江戸時代後期から、住吉みやげとして受け継がれていた土人形は、
一度途絶えたにですが、住吉大社の授与品として復刻されました。
前足を着いて休憩しているようなポーズのイノシシの姿が可愛いですね。
住吉大社
大阪市住吉区住吉2-9-89
06-6672-0753
護王神社 おみくじ入り亥置物
平安京建都に尽力した和気清麻呂公(わけのきよまろこう)が、
足を怪我したときに三百頭ものイノシシが清麻呂公を守ったことから、
足腰にご利益がある神社として護王神社は有名です。
コロンとしたフォルムと可愛い目がチャームポイントの、
おみくじ入りイノシシの置物です。
護王神社
京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385
075-441-5458
建仁寺 禅居庵 亥おみくじ
京都最古の禅寺内にある禅居庵の、
鎮守堂の摩利支天(まりしてん)に使えるのが亥です。
境内のいたるところで狛亥や亥の彫刻などが見られます。
つぶらな瞳が可愛い素焼きの亥の中にあるおみくじが入っています。
建仁寺 禅居庵
京都市東山区大和大路四条下ル四丁目小松町146
075-561-5556
法輪寺 干支の土鈴
三国一と称する起き上がりだるまをはじめ、
約八千体の達磨をお祀りする、通称『だるま寺』の、
縁起ものである真っ赤なだるまが、
亥をかたどった土鈴の背中にちょこんと乗った姿がユニークで可愛い。
法輪寺
京都市上京区下立売通西大路通東入
075-841-7878
市比賣神社 姫みくじ
通称『いちひめさん』といって親しまれる市比賣神社は、
縁結びや子授け、女人厄除けなどにご利益がある神社です。
、
女人守護・子授け祈願・安産祈願など女性の願い事、
女性だけの厄除けの神とされ、古くから女人厄除祈祷所として、
全国の女性の信仰を集め、節分には女厄除祭が催されます。
その市比賣神社の姫みくじは、だるま形の人形のおみくじです。
市比賣神社
京都市下京区河原町五条下ル一筋目西入ル
075-361-2775
神社の授与品 おすすめのかわいいお守り
神前で祈念されたお守りには神様の分身が宿ります。
いつでも身に着けたりそばに置いておきたくなる、
可愛らしくて愛着がわくお守りです。
赤坂 氷川神社 やかん鈴
赤坂にある氷川神社は、東京三大縁結びの神社といわれ、
幸せを呼に込むラブリーな鈴が可愛いと人気です。
東京の中心部・赤坂にあり、東京十社に数えられる神社で、
縁結びを司る神様として信仰されてきました。
氷川神社の『やかん鈴』は、
“幸福を沸かす、幸福を注ぐ”という由来の縁起物の鈴です。
ただの鈴だと思ったら、よく見るとヤカンだなんて、
何だか可愛くてひとめぼれです。
赤坂 氷川神社
東京都港区赤坂6-10-12
03-3583-1935
八重垣神社 美のお守り
椿がモチーフになった可憐なお守りは、ポーチにつけるとキュートです。
八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した素戔嗚尊(すさのおのみこと)と、
稲田姫命(いなだひめのみこと)の夫婦が御祭神の八重垣神社のお守りは、
境内にある二本の椿が一本に繋がっている夫婦椿がモチーフになっています。
稲田姫は美にとても気を遣う麗しい女性だったそうです。
鏡の池のコイン占いも有名です。
八重垣神社
島根県松江市佐草町227
0852-21-1148
金刀比羅宮 幸福の黄色いお守りとミニこんぴら狗
鮮やかな黄金色のお守りには、災いを除け病気平癒のご利益があります。
“さぬきのこんぴらさん”として親しまれ、
参道の入り口から御本宮までの785段の長い階段が特徴的な金刀比羅宮のお守りは、
災いを払い、幸運を呼び込むといわれる、まぶしい黄色がポイントです。
江戸時代、飼い主のかわりにお詣りした“こんぴら狗”が
ミニサイズでセットになっています。
金刀比羅宮
香川県仲多度郡琴平町892-1
0877-75-2121
今宮神社 玉の輿お守り
清楚な美しさの西陣織で作られたお守りを手に入れて、
良縁祈願が成就されます。
今宮神社の氏子である八百屋の娘“お玉”さんが、
五代将軍・徳川綱吉公の生母となり、
従一位という女性としての最高位を得たことから、
“玉の輿”という言葉ができたそうです。
聖護院大根や金時にんじん、賀茂なすが描かれたお守りは色とりどりで、
一つ選ぶのが悩ましいお守りです。
今宮神社
京都市北区紫野今宮町21
075-491-0082
唐崎神社 御手洗団子守
暑い夏を乗り切るお祭りに由来する、色彩豊かな四色団子のお守りです。
唐崎神社は日吉大社の末社で、近江八景の一つに数えられています。
神前に供えるお団子を模した御手洗団子守は、
緑・黄・赤・白・黒の五色から、黒(苦労)を抜いた四色を用いていて、
カラフルで小さなお団子に心が和み、
家内安全や厄除けに、玄関先や居間に飾っておくと可愛いです。
唐崎神社
滋賀県大津市大津唐崎1-7-1
077-578-0009
代々木八幡宮 金魚提灯
代々木八幡のお守りは、縁起物の金魚の提灯で、
飾っておくと、金運や開運アップを祈願できます。
鎌倉時代に創建された代々木八幡宮の、境内奥にある出世稲荷社は、
仕事運上昇のパワースポットとして有名です。
毎年五月に開催される金魚まつりに合わせ、
ゴールデンウイーク頃から授与されるのが金魚提灯です。
“金の魚”は金運や財運に繋がり、
ゆらゆら揺れる姿が可愛い、人気のお守りです。
代々木八幡宮
東京都渋谷区代々木5-5-1
03-3466-2012
護王神社 足腰守
護王神社の足腰守は、足形が可愛い!
護王神社は昔から、足腰の病気やけがにご利益があると人気で、
手水場にあるイノシシの像は『霊猪手水舎』といわれ、
このイノシシの鼻をなぜると、足腰の痛みにご利益があり、
幸福が訪れるとされています。
護王神社の境内には、ほかにも猪の像がたくさんあり、
陸上選手やサッカー選手にも人気のある神社です。
護王神社
京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385
075-441-5458
あとがき
思わず身に着けていたくなるお守りや、
おみくじを引いてあまり良い卦が出なくても、
持ち帰って飾っておきたいものなど、
授与品にはかわいいものがいっぱいあります。