太宰府天満宮は、菅原道真公をお祀りする神社で、
福岡県の太宰府市にあります。
平安時代の貴族で、学者、漢詩人、政治家であった菅原道真公は、
学問・至誠・厄除けの神様として、
今も人々から厚い信頼を得ています。
太宰府天満宮では、毎年一月に、
鷽替え神事と鬼すべ神事が行われます。
鷽替え神事と鬼すべ神事とは、どのような神事なのか、
神事の内容についてや日程をご案内します。
また、鷽替え神事や鬼すべ神事が行われる太宰府天満宮で、
授与していただける合格祈願のお守りや厄除けのお守りと、
御朱印についてもまとめています。
太宰府天満宮の鷽替え(うそかえ)神事はいつ?
太宰府天満宮は受験生の信仰を集める日本有数の天神様です。
太宰府天満宮は梅の名所でもあり、
約六千本ある梅の花の時期には大勢の観光客でにぎわいます。
東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ
ご存知のとおり、御祭神の菅原道真の歌で、
「自分が去っても、春になったら香しい花を咲かせておくれ」
という意味です。
これは、道真が政敵の藤原時平に罠に嵌められ、
京都を追われる直前に詠んだものですが、
そんな道真を慕って、
一夜のうちに京都から飛んできたといわれるのがこの『飛梅』です。
その梅の子孫は、今も本殿に向かって右手にあります。
この飛梅の近くに“絵馬掛所”がありますが、
どこに掛けられるかと、
掛ける場所を探している若者の姿をよく見かけます。
絵馬掛所は、本殿裏にも末社の裏にもありますが、
どこも隙間なく絵馬が掛けられていて、その様は壮観なものがあります。
太宰府天満宮は学生だけではなく、就職や昇進試験などの、
合格祈願に訪れる人も多く、社会人からも人気の神社です。
太宰府天満宮は、京都の北野天満宮とともに、
全国の天神様の総本社です。
延喜十九年(919年)、
菅原道真のお墓があったところに創建された『安楽寺』が、
こんにちの太宰府天満宮のはじまりです。
鷽(うそ)と道具の罪の嘘
太宰府天満宮では、毎年一月七日の夜、
古くから伝わる『鷽替え神事』が行われます。
『鷽』とは鳥の名前ですが、
漢字の『學』ににているところから、天神様のお使いとされています。
1月7日18時より楼門横の天神ひろばの斎場にて行われる神事です。
神事では、木彫りの鷽を手にした人々が、
注連縄(しめなわ)で囲った楼門前の斎場で、
「替えましょう、替えましょう」と言い合い、鷽を互いに取り替えます。
鷽を交換し合うことで、一年の間についたウソを清算し、
幸福を頂くという意味があるそうです。
今年も太宰府天満宮の鷽替え神事に行ってきました。 pic.twitter.com/lhqTZVossD
— 知子 (@yamatomo0528) 2018年1月7日
神事に用いる「木うそ」(初穂料1,000円)は、
当日17時より授与されます。
神事の後に手にした「木うそ」はご自宅の神棚にお祀りし、
一年間の幸福をお祈りします。
ちなみに太宰府天満宮では、北野天満宮と違って、
道真が怨霊となって災いをもたらし、
それを鎮めるために祀ったという説はとっていません。
実際、太宰府に行ってからの道真は、
自分に冤罪をきせた藤原時平を恨んでもしかたがないと、
仏道と詩作で静かに暮らしていたとも言われています。
“鷽替え”は、江戸時代ごろから始まったとされ、
道真が生きていたころにはありませんでしたが、
身に覚えのない冤罪を鷽替えにダブらせてみると、
道真との不思議な因縁を思わずにはいられません。
太宰府天満宮の鬼すべ神事とは
太宰府天満宮では、毎年、一月七日に行われる『鷽替え神事』に引き続き、
『鬼すべ神事』が行われます。
こちらはその年の災難厄除けや、
開運招福を祈願して行われる勇壮な火祭りです。
太宰府天満宮。鷽替えも体験して鬼すべ神事。
凄い迫力でした!伝わるかな?
一郎さんとも会えた。凄い楽しんでたよ!
私マスクしてたのによく分かったな😭✨@SAKANAICHIRO#太宰府天満宮#鬼すべ神事 pic.twitter.com/hTM5vLjeiQ— MAKI (@maki_shampoo) 2018年1月7日
1月7日の夜、境内の東神苑にある鬼すべ堂にて行われます。
「燻手すべて」と「鬼警固」、
「鬼係」に分かれた、300人による炎の攻防戦は、見るものを圧倒します。
『鬼すべ神事』は、
寛和2年(986年)道真公の曾孫にあたる大宰大弐
菅原輔正(すがわらすけまさ)によって始められたと伝えられています。
午後9時頃、
鬼すべ堂前に積まれた松葉や藁に、
御本殿で起こされお祓いされた御神火で火がつけられると、
一瞬にして炎と煙が夜空を焦がします。
すかさず「燻手」が大団扇で煙を鬼すべ堂へ送り込み、
鬼を追い出そうとします。
それに対し、「鬼警固」は堂の板壁を打ち破り、
堂内の煙を外に出して鬼を守ります。
板壁が破られると荒縄で48ヵ所を縛られた鬼は、
「鬼係」に囲まれて堂内を七回半、堂外を三回半まわります。
堂内では神職が、堂外では氏子会長が、
一周ごとに、鬼に向かって煎り豆を投げ、卯杖うづえで打ち、
鬼を退治した後、火の祭典「鬼すべ神事」は幕を閉じます。
燃え残った板壁は「火除けのお守り」としての信仰があり、
持ち帰って玄関先にお祀りする風習があります。
太宰府天満宮のその他のご利益としては、
芸能上達や和歌・書道の上達、
除災招福・火除け、五穀豊穣などがあります。
太宰府天満宮のお守りや御朱印は?
『学業きんちゃく御守』や、ひも付きの『学業袋守』のほか、
パスケースに入る『就職成就御守』などがありますが、
遠方に住んでいる人や、
参拝が難しい人には郵送してもらうこともできます。
太宰府天満宮 学業係
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/pray/apply/charm
〒818-0195 福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号
TEL : 092-922-8484 (9時~17時) FAX : 092-920-2525
太宰府天満宮の御朱印は、
ご本殿近くにある授与所で授与していただけます。
また、お守りやおみくじ授与所にも、
御朱印の受付所があります。
太宰府天満宮での御朱印授与の受付時間は、
太宰府天満宮の開門時間や閉門時間と同じですが、
季節によって異なります。
開門時間は、春分の日から秋分の日までが、午前6時から、
秋分の日から春分の日までが、午前6時30分からです。
また、太宰府天満宮の閉門時間は、
4月・5月は、午後7時、
6月・7月・8月は、午後7時30分、
9月・10月・11月は、午後7時、
12月・1月・2月・3月は、午後6時30分
毎週金曜日・土曜日は、午後8時30分となっています。
しかし、受付時間終了間際ですと、
御朱印を頂けない場合もありますので、
早めに行かれるようにしてください。
また、年末年始 大晦日12月31日は、午前6時30分に開門し、
お正月の三が日は、終日開門しているとのことです。
あとがき
神社の神事として行われるものには、
奉納相撲や、奉納神楽などいろいろありますが、
太宰府天満宮の『鷽替え神事』や『鬼すべ神事』は、
ちょっと変わった神事ですね。