寿命は親の年齢で決まってるのか?遺伝子やテロメアの研究で800歳も夢ではない!

美容と健康

寿命は親の年齢で決まっているというのはホント?

父親が長生きだと息子も長命で、
母親が早死にだと娘も短命になると言われています。

また、寿命遺伝子やテロメアの研究で、
寿命が800歳まで延びる…
なんてことになったらどうします?

夢のような、というか、
そんな残酷な研究をしてもいいものなのでしょうか。

  

寿命は親の年齢で決まっているのか?

寿命に関して『うちは長生きの家系だから…』とか、
『あそこの家はお父さんも短命だったしねぇ~』などと、
“遺伝”として語られることが良くあります。

しかし、
はたして寿命というものは本当に親子で遺伝するものなのでしょうか。

信州大学のグループが、長野県松本市近郊の村で行った、
家系の調査結果を見ると、
親の寿命が遺伝するという“経験論”は、
結構当たっていたと言えそうなのです。

それによると、父親が長命だと、その息子は約73%が長命で、
父親が短命だった場合、息子は約52%短命だったというのです。

一方、母親が長命だと、娘は約58%が長命で、
短命な母親の場合は、娘も約72%が短命だったという結果でした。

つまり、父親の寿命は息子に、
母親の寿命は娘に強く遺伝するということが判明したのです。

この調査をまとめると、
息子が長生きするのは、父親が長命で母親が短命だった場合が多く、
娘が長生きするのは、両親がともに長命の時なのです。

反対に、息子が短命なのは、父親が短命では母親が長命、
娘が短命なのは両親ともに短命な場合のようです。

ところ変わってスウェーデンでは、染色体末端部の長さに着目して、
親子間の寿命の相関関係の調査が行われています。

染色体末端部は『テロメア』と呼ばれ、
細胞が分裂するたびに短くなっていくことがわかっています。

そしてその短さが限界に達すると、細胞が老化を始めることから、
寿命を決定づけている遺伝的な要因の一つではないかと考えられています。

調査では、父、母、息子、娘の4つのグループに分け、
親子間でテロメアの減少率がどのようにかかわっているかが調べられました。

するとその結果、子供の性別にかかわらず、
父親と子どもの間には、強い相関関係があることがわかったのです。

ただし、母親と子どもの方はそれほど強くなかったということです。

いずれの調査も、
なぜこのような結果が出たのかという原因が、
はっきり解明されているわけではないのですが、
親子関係と寿命の間には、
やはり何らかの遺伝要因があると考えても良いようです。

とはいえ、親がいくら長命でも、
本人が不規則な生活をしていたら台無しですし、
逆に、親が早くに亡くなっていても、
それがそのまま子どもの寿命になるわけではないのです。

親や先祖の寿命から、自分の残りの人生の長さをいちいち案じても、
あまり意味のないことのようですね。

寿命は遺伝子やテロメアの研究でどこまで伸びるのか?

あなたの寿命は、
生まれた時からすでに決まっているのです!?

人間の寿命は、人によって様々で、
健康に十分気をつけて暮らしていても、早く死んでしまう人もいれば、
暴飲暴食といった不摂生な身体に悪いことばかりしているのに、
長生きする人もいます。

近年の研究では、
その謎の背景には実は遺伝子が大きくかかわってきているのではないか、
という説が出ています。

そう、寿命は遺伝子によって決められているらしいのです。

この寿命を決める遺伝子は、そのものズバリ『寿命遺伝子』と呼ばれ、
30年近く前に発見されたのです。

寿命遺伝子によって、
生物はそれぞれ生まれつき寿命が設定されているというのです。

たとえば、長寿で知られるゾウガメ類の平均寿命は100歳を超えていて、
150歳以上も生きた例があるのです。

一方、実験用に用いられる小型マウス類は、長くても数年程度、
ショウジョウバエなどは実験室でどんなに大切に育てられても、
60日程度がやっとなのです。

このように生物の最大寿命はその種によって決まっているようで、
この最大寿命を決めているのが、
それぞれの種が持っている遺伝子というわけです。

ヒトの場合は、
統計学的に最大寿命は120歳前後と考えられています。

こうした寿命に関係する遺伝子は一つではなく、
いくつかの遺伝子は寿命の決定に関わっていることがわかっています。

種の最大寿命まで生きられるか、あるいはもっと寿命は短いのか、
それは個々人に与えられた寿命遺伝子が命運を握っているということです。

ということは、それを調べれば自分の寿命がわかるのか、と考えると、
何だか怖い気がしますが、幸か不幸か、現在の科学ではまだ、
個人がどんな寿命遺伝子を持っているかは検査できないのです。

その代り、寿命遺伝子の指令で作られるたんぱく質、
つまり『寿命たんぱく質』と言われるものが、
寿命科学研究所や信州大学医学部の日本人研究者によって発見され、
興味深い成果が報告されています。

この『寿命たんぱく質』は、
生物の幼少期のほんのわずかな期間のみに作られるたいへん希少なもので、
寿命を延ばす効果を持つことが、
すでに実験で裏付けられているのだということです。

研究者たちは、
寿命たんぱく質の分離や精製法を開発し特許を取得しています。

それを毎日、少しずつ食べると、老化防止や皮膚の活性化、
血管の強化や内臓の活性化をはじめ、
将来的には寿命の延長にもつながるのではないかと期待されています。

今後の研究いかんでは、
最大寿命120歳の人生を謳歌する時代がやって来るかも知れないのです。

寿命は遺伝子やテロメアの研究で800歳も夢ではない!

生物の寿命を決定づけるものはいったい何なのか、
寿命遺伝子やテロメアが関係していることまではわかった。

そしてそのテロメアが短くなることが、
寿命を決める要因かもしれないという期待が高まって、
実際、2009年のノーベル医学生理学賞が、
『寿命のカギを握るテロメアとテロメラーゼ酵素の仕組みの発見』
に対して贈られたのです。

もっとも、この説にのっとって推定すると、
人体の機能上の限界は150歳程度と考えられているのですが、
実際に150歳まで生きた人はまだいません。

記録上最長の長生きは、
フランスのジャンヌ・カルマンさんという女性で、
それでも122歳と164日だったのですから、
本当に150歳まで生きることが可能かどうかは未確定なのです。

寿命決定の仮説としてはほかに、
ベストセラーになった本
『ゾウの時間ネズミの時間』で述べられているように、
生物の心拍数や呼吸の回数には、
一定の規格があるという説も知られています。

これはゾウもネズミも、
一生のうちの心拍数や呼吸数は同じだとする考え方です。

それぞれの身体の大きさによって、その間隔が違うため、
種によって一生の時間は異なるものの、
みな同じように決められた回数に達すると、
寿命を迎えるというわけです。

この説によると、
哺乳類ではその心拍数の上限は20億回とされているのですが、
ただ、これも科学的根拠が解明されているわけではありません。

いずれにしても、これらの説が結論付けているのは、
人間の寿命はどんなに長くても、
150歳に到達するのがやっとなのだということです。

しかし、
なかにはそうした推定寿命を吹き飛ばしてしまうような研究もあります。

それはなんと、
寿命を10倍に伸ばすことができるというものです。

南カリフォルニア大学の研究チームの発表によると、
彼らは、RAS2とSCH9という特定の遺伝子を働かせないように操作して、
パン酵母の一種であるイーストの寿命を、
10倍に延ばすことに成功したのです。

同じ技術を人間にも応用できるとすれば、
現在の寿命が80歳の人なら、
800歳まで生きられることになるというのです。

思わず耳を疑いたくなるような数字ですが、

もしもこの技術が完成位したら・・・・

長寿を楽しむ人が増える以上に、
地球のほうが先にパンクしてしまうのではないでしょうか。

あとがき

この年になると時々、
あと何年くらい生きられるのかなぁ~なんて考えます。

だから、一日一日を大切に生きないとね!

でも、800歳まで生きられるとしたらどうしよう?

な~んて、そんなアホな!