成人年齢が引き下げられますが、
今まで成人式とか成人というと二十歳のことでした。
ですが、二十歳と書いて何故はたちと読むのかって気になりませんか?
『二十歳と書いて何故はたちと読むのか』ということについて、
まとめてみました。
そして、成人年齢が決められた歴史や、
世界中の国の成人年齢が幾つなのかをお伝えします。
成人年齢が引き下げられたら“十八歳”は何と読むのでしょうか。
『二十歳』と書いて『はたち』と読むのは何故?
誰もが当たり前のように『二十歳』と書いて『はたち』と読んでいますが、
他の年齢の読み方は、十歳も三十歳も文字通りの読み方です。
『はたち』は明らかに特殊な読み方だと思うのですが、
これは“二十”が、ふたつの“十”ということから、
『ふたと』と読んでいたからだという説があります。
それが転じて『はたと』と言われるようになり、
さらに『はたち』と言われるようになったというのです。
また『はた』がもともと『二十』を意味していて、
助数詞として“ち”が付けられたという説もあります。
これには『二十年(はたとせ)』『二十重(はたえ)』などの用例もあります。
この二つの説によると『はたち』は年齢に限らず、
『二十』という数字そのものを指す言葉だったようです。
幼い子が自分の年齢を、数字と同じように『ひとつ』『ふたつ』というのと、
同じようなものかも知れません。
それがやがて『はたち』という読みは年齢に限られるようになっていき、
本来の使い方だった『二十』という数字全般を、
『はたち』と読むことは廃れていったと考えられています。
さらに『二十歳』と書いて『はたち』と読む俗説としては、
戦国時代の武将が揚げた旗に由来を求めるものがあります。
当時の若い武将たちは、
二十歳になると主君の紋を染め抜いた旗印を背負って戦場に赴きました。
戦場では敵味方の区別や、自分の存在をアピールするために、
旗印は不可欠なものでした。
その旗には、竿に通すための『乳(ち)』という名前の輪が、
ちょうど二十個付いていたことから『旗乳(はたち)』となり、
「命を懸けた決断ができる年齢」である二十歳になると、
『旗乳』を背負うという意味で『はたち』と呼ぶようになったといいます。
また、両手両足をすべて使って指折り数えて行くと20で終わるため、
そこが『果て(果つ)』となって、
『はたち』の語源となったという説もありますが、
ここまでくるとあまり信憑性は高くないようです。
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『二十歳』と日本の成人年齢の歴史
歴史をさかのぼってみると、
二十歳を超えたら『成人』と呼ばれるようになったのは、
1896年(明治29年)に制定された民法に、
『満20歳をもって成年とする』と定められてからなのです。
この根拠としては、フランスの民法の規定に倣ったという説や、
中国の『礼記』に、
「男子は二十歳にして弱という冠をかぶり成人を宣言する」とあるのを、
採用したという説があります。
ただ、民法で規定されたのは1896年ですが、
20歳を成人とする考え方は、それをさかのぼること20年、
1876年(明治9年)に『太政官第41号布告』で明記されています。
この布告では『成人』ではなく、
『丁年』という文字が使われています。
年齢の計算方法が数え年から満年齢に変更されたのもちょうどこの頃、
1873年(明治6年)のことでした。
この当時は、今でいう『未成年』『成人』という区分けを、
『幼年』『丁年』としていましたが、
この布告で、大人として認める『丁年』を初めて満20歳としたことから、
事実上この時点から成人年齢が満20歳とされたようです。
では、それ以前はどうだったのかというと、
『丁年』の年齢は地域によってバラつきはあるものの、
おおむね15歳以上を『丁年』とするのが一般的でした。
つまり、明治の初期までは、成人年齢は15歳だったのです。
もともと江戸時代、武家社会には元服という通過儀礼があり、
数えで15歳になると元服をすまして成人と見なされていました。
また、農村部では若者組という組織があり、
15歳から25歳までの未婚の青年が加入していました。
若者組は子供から大人になるため、
村のしきたりを学ぶという役割を担っていました。
明治時代になっても、はじめのうちは江戸時代からの慣習に基づいて、
15歳を大人になる基準としていたのです。
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成人年齢の引き下げと諸外国の成人年齢は?
民法が改正され、成人年齢が引き下げられます。
被選挙権の年齢はすでに引き下げられ、
成人年齢も同じ18歳となります。
成人年齢の引き下げについては、
論争を重ねた結果、決定されたわけですが、
それらの参考とされた、
諸外国の成人年齢がどうなっているのか気になるところです。
諸外国では成人年齢を何歳にしているのか調べてみると、
やはり18歳をもって成人としている国が多いようで、
世界の約80%以上の国が18歳を成人年齢としています。
アメリカとカナダは州ごとに規定が異なるのですが、
イギリス、イタリア、ドイツ、フランス、ロシアは18歳としていて、
主要国首脳会議、いわゆるサミット参加国の中で、
これまで成人年齢を20歳としてきたのは日本だけでした。
20歳より高いのは、アルゼンチン、エジプト、シンガポールの21歳です。
逆に世界の主流よりさらに若い年齢の18歳未満でも成人と見なしている国は、
ネパール、キルギスが16歳、
驚くことにプエルトリコは14歳を成人年齢としているのです。
2022年から日本も世界の主流に合わせて、
18歳を成人年齢にすることが決まっていますが、
ただ年齢を切り替えればいいだけではなく、
いろいろな問題も残っているようです。
あとがき
成人年齢に達した時、ずいぶん昔のことで朧気ですが、
その当時、想い描いていた人生とは、
かけ離れた人生を送ってしまったようです。
時間は引き返せないので、
全国の、これから成人年齢に達する若者たちに言いたい!
『時間を大切にしないと、あっという間ですよ!』
残された人生をより良くしたいと悪足搔きしています。