七草がゆの由来と食べる意味は?春の七草の効能と冷ご飯でおいしい作り方

グルメ

一月七日は『七草粥』を食べる日ということは、
よく知られていますが、
なぜ、この日に七草がゆを食べるのかという、
意味や由来について、知られていない方も多いようです。

七草がゆに入れる春の七草は、
この時期に食べると良い効能を持った食材なのです。

七草がゆに入れる春の七草についてや、
我が家で評判の、冷ご飯で作る
『七草雑炊』の作り方をご紹介します。

  

七草がゆの由来と食べる意味は?

一月七日に食べる七草がゆは、
もともと七草のお吸い物だったそうです。

お正月におせち料理やお雑煮をたらふく食べた後、
関東地方の松の内の最終日にあたる一月七日に、
『七草粥』を食べる習慣があります。

実は一月七日は、中国から伝来した五節句のひとつで、
『人日の節句(じんじつのせっく)』なのです。

中国の前漢の時代(紀元前206~8年)に、
正月の一日を鶏、二日を狗(犬)、三日を猪(豚)、四日を羊、五日を牛、
六日を馬、七日を人、八日を穀の日として、
それぞれの日に当たるものを大切にし、
新年の運勢を占う風習がありました。

一月七日は『人間の日(人日)』だったので、
犯罪者への刑罰を行わなかったとされています。

唐の時代(618~917年)になると、
一月七日の人日の日に、七種類の若菜を入れたお吸い物、
『七種菜羹(ななしゅさいのかん)』を食べ、
無病息災を祈る習慣が生まれました。

この日はまた、
現在では公務員にあたる官吏の昇進や人事が決まる日でもあり、
『七種菜羹』を食して、立身出世を願うしきたりも誕生しました。

奈良時代に、この中国の風習が日本に伝わり、
米、あわ、きび、ひえ、みこ、ごま、小豆の七種類の穀物を入れた、
『七種がゆ』という、日本に古くからあった料理と混じり合いました。

そして、鎌倉時代から室町時代になると、
『せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ』という、
春の七草を入れた七草粥を食べて無病息災を願う行事が生まれたのです。

さらに、江戸時代に一月七日が『人日の節句』として、
五節句のひとつに定められ、
幕府の公式行事になったことで、七草粥の習慣は広く普及しました。

薬効の成分も含んだ春の七草を摂ることで、
お正月の御馳走や暴飲暴食で疲れた胃腸を休ませ、
野菜の収穫が減る冬場に不足しがちな栄養を補給する効用があることも、
七草粥が浸透する大きな要因になったと言われています。

七草がゆに入れる春の七草の効能は?

七草粥は『春の七草』にこだわらず、自由に具を選ぶこともできる。

七草粥には、春の七草を入れるのが一般的です。

春の七草のひとつひとつを説明します。

🍂 せり
ビタミンCと鉄分が豊富な水辺の山菜で、
食欲増進や貧血予防に役立ちます。

🍂 なずな
「ぺんぺん草」の異名があります。
腎臓や肝臓の機能を整えると言われています。

🍂 ごぎょう
「母子草」の異称があります。
たんぱく質が豊富で、せきやたんを止め、
風邪予防に効果があると言われています。

🍂 はこべら
ビタミンAが豊富で、歯ぐきや皮膚の腫れに効き、
免疫力強化や老化防止に効力があると言われています。

🍂 ほとけのざ
葉の形が仏様の台座の蓮に似ていることからこの名がつきました。
高血圧の予防など、体質を全般的に改善すると言われています。

🍂 すずな
「かぶ」のことで、消化不良の改善や成人病の予防を促します。

🍂 すずしろ
「だいこん」のことです。
消化不良の改善、風邪の予防に効果が見られます。

ただし、時期的に春の七草が手に入らなかったり、
揃わなかったりする地域も全国各地にあります。

そのため、地方によっては必ずしも春の七草にはこだわらず、
ゴボウやニンジンなどを混ぜた七種類の野菜を使ったり、
お餅や小豆、豆、昆布、干し柿など、野菜以外の具を入れる場合もあります。

七草がゆ 台所道具から作り方まで『七』尽くしのしきたり


七草がゆを作るときの伝統的なしきたりが、かつては存在していました。

春の七草をまな板の上にのせて、
包丁、杓子、銅杓子、すりこぎ、菜箸、火箸、薪という、
『七種類の台所道具』を使い、
包丁から順に七度ずつ叩いて細かく刻みます。

しかも、無病息災や豊作を願う『七草ばやし』を唱えながら、
春の七草を刻むのが一般的でした。

七草ばやしは地方によって様々です。

たとえば、
『七草なずな 唐土の鳥が 日本の土地に 渡らぬ先に…』のように、
中国から渡ってきて、疫病を広めたり、
作物に害をあたえたりする鳥に対する注意を喚起するものは、
代表的な七草ばやしです。

七草がゆは、食べることだけでなく、作ること自体も、
新年の無病息災さらには五穀豊穣を祈願する、
重要な儀式と考えられていたのです。

人日の節句と七草粥の意味と由来は?七草粥はいつ食べる?簡単な作り方は?
一月七日は七草粥の日です。 お正月の御馳走で疲れた胃にお休みをさせてあげる日です。 そしてこの日は“人日の節句”といわれる日でもあるのです。 さて、この“人日の節句”とはいったいどんな日なのでしょうか? 人日の節句の意味や由来についてまとめ...

七草がゆの冷ご飯で作るおいしい作り方

お粥は、お米から作った方がおいしいですが、
その場合、作り立てでないと美味しくありませんし、

一人分だけ作るときや、家族の食べる時間がまちまちだったりすると、
美味しく作ることが出来ません。

伝統的な人日の日の行事食として、七草粥を作るときは、
お米からじっくりと作ってみてください。

うちの場合は、朝みんなが揃って食べられないので、
夕食に七草がゆを作ります。

でも、七草がゆが夕食だと、ちょっと寂しいので、
『七草雑炊』のような感じにします。

冷ご飯は、ざるに入れて水洗いします。

春の七草が揃わなくても、緑の菜っ葉なら何でも入れちゃいます。

昆布でお出しを取って、さっくりと炊き上げます。

七草雑炊に合うようなおかずを、贅沢(?)に用意します。

おかずは何でもいいのですが、
うちでは、きんぴらごぼうや肉のしぐれ煮、鳥のそぼろ、焼き鮭、
筑前煮などが人気です。

七草雑炊には、七草になる青物(菜っ葉類)を多めに入れますが、
ビタミンを豊富に摂りたいので、
ほうれん草やインゲンでお浸しを作ることもあります。

普通の七草がゆと違って、サラサラと食べられるので、
『えー!晩ごはん、おかゆなの~?』って言っていた
子どもたちにも大好評です。

ちなみに、一月七日と言えば、七草がゆを食べて、
新しい年の無病息災を祈願する日ですが、
新年初めて爪を切る日でもありました。

実は、七草がゆと一年最初の爪切りの日には深い関係があります。

七草がゆを作るときに、刻んで残るなどした春の七草を、
茶碗などに入れ、水に浸し、
その水に指を入れて爪を柔らかくしてから新年初の爪を切りをすると、
邪気を祓え、その年は風邪を引いたり、
病気にかかったりしないと考えられていました。

この風習は『七草爪』とか『七種爪』
『菜爪』『七日爪』などと呼ばれていました。

あとがき

七草がゆだけでなく、意外とお粥っておいしいもんです。

子どもの頃、熱を出して寝ていると、
母が『おかいさん』を作ってくれました。

一月七日に限らず、
週一で『おかいさん』の日を作れば、
ダイエットにいいかもしれませんね!