京都には、京都国立博物館や京都国立近代美術館、
京都市美術館などの公立ミュージアムをはじめ、
私立の美術館や博物館などがたくさんあります。
有名な美術館や博物館のほかにも、小さなミュージアムもたくさんあり、
いろいろな面白いものが発見できます。
展示されているものだけでなく、体験型ミュージアムもあり、
建物自体もインスタ映えするような素敵なミュージアムばかりです。
その中でも人気の高いミュージアムや、
ちょっと変わったおすすめのミュージアムをご紹介します。
京都のおすすめミュージアム 京都国際マンガミュージアム
今や世界で愛されている“MANGA”
ここはマンガの資料を30万点所蔵する、図書館と博物館の機能を、
兼ね備えた、日本で初となる『マンガミュージアム』です。
マンガミュージアムの目玉は、閲覧自由のマンガ5万点が収められた、
書架『マンガの壁』です。
さらにこのマンガミュージアムの魅力は、
漫画にまつわる展示物や体験を通じて、
マンガ文化を形成する様々な側面を知るための仕掛けが各所にあることです。
また、このマンガミュージアムの建物の前身は、
昭和初期に建造された『京都市立龍池小学校』だったのです。
当時の面影が残る館内は、
あの頃にタイムスリップするための“タイムマシーン”なのです。
学校の中で、しかも堂々とマンガに熱中するという、
禁断の行為ができるのです。
お天気のいい日には、広い芝が敷き詰められた校庭で、
青空読書というのも気持ちが良いものです。
日本のポップカルチャー“マンガ”に迫る【京都国際マンガミュージアム】
所在地:京都市中京区烏丸通御池上ル
電話:075-254-7414
開館時間:10時~18時
休館日:水曜日(祝日の場合は翌日が休み)
入館料:\800円
京都のおすすめミュージアム 京都鉄道博物館
京都鉄道博物館は「見る、さわる、体験する」など、
様々な角度から鉄道を体感できます。
☆見る
実物車両や鉄道模型など、
「見る」をテーマに“楽しい”ポイントを紹介します。
☆さわる
駅や電車のしくみ、模型など、
「さわる」をテーマに“楽しい”ポイントを紹介します。
☆体験する
蒸気機関車の乗車や保線用自転車の乗車など、「
体験する」をテーマに“楽しい”ポイントを紹介します。
京都鉄道博物館は、平成28年4月29日、
鉄道の歴史を通して日本の近代化のあゆみを体感していただけ、
「地域と歩む鉄道文化拠点」として、
伝統を重んじながらも常に革新を続ける京都の地に開業しました。
【京都鉄道博物館】
所在地:京都市下京区観喜寺町
電話: [ナビダイヤル] 0570-080-462
開館時間:10:00~17:30(入館は17:00まで)
休館日:毎週水曜日(祝日は開館)・年末年始
入館料:一般¥1,200円 大学生・高校生¥1,000円
中学生・小学生¥500円 幼児(3歳以上)¥200円
京都のおすすめミュージアム 京都万華鏡ミュージアム姉小路館
京都万華鏡ミュージアム姉小路館は、
万華鏡を専門に収集・展示しているミュージアムです。
平成16年6月に開館し、NPO法人『京都万華鏡こう房』が、
教育施設『こども相談センターパトナ』の展示スペースを活用し、
各方面からの協力と、ボランティアの皆様のお力で運営されています。
国内外の作家作品、約300点の所蔵品コレクションの中から、
季節ごとにテーマを設け、常時50点程展示しています。
展示中の万華鏡はすべて直接手に取り自由にご覧頂けます。
また、万華鏡展示スペースでは、
1時間おきに約5分間ずつ投影式万華鏡をご覧いただけます。
展示室内の天井・壁面に万華鏡が映し出され、
幻想的な世界をお楽しみいただけます。
【京都万華鏡ミュージアム姉小路館】
所在地:京都市中京区姉小路通東洞院東入曇華院前町706-3
電話:075-254-7902
開館時間:10:00〜18:00(最終入館 17:30)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館、翌日閉館)年末年始
入館料:大人¥300円
小・中学生¥200円
京都のおすすめミュージアム 京都浮世絵美術館
浮世絵氏の巨匠の作品を、
贅沢に至近距離で見ることができる 京都浮世絵美術館は、
繁華街の中心、四条寺町にあります。
四条通に面していますが、ビルの2階にあるので、
少し見つけにくいかも知れません。
葛飾北斎『冨獄三十六景』の三大名作、
『浪』『赤富士』『黒富士』が常設展示されています。
ほかにも歌川広重や喜多川歌麿といった、
江戸時代の人気浮世絵師の作品も所蔵されています。
世界的にも希少な初期摺りを含め、
間近に見られる夢のような空間です。
京都ゆかりの作品も多く、
現在に続く景色や老舗の看板などを探すのも楽しくなってきます。
2017年4月 0PEN!【京都浮世絵美術館】
所在地:京都市下京区四条通寺町西入奈良物町365
キリハタビル2F
電話:075-223-3003
開館時間:10時30分~18時30分(入館は18時まで)
休館日:無休
入館料:\1000円
京都のおすすめミュージアム お辨當箱博物館
弁当箱の名品が70点も!
江戸時代の遊び心に脱帽してしまう お辨當箱博物館は、
元禄2年(1689年)創業の、
麩と湯葉のお店『半兵衛麩』が所蔵する美術館です。
江戸時代を中心としたお弁当箱を、本店店舗の2階で照会しています。
『将棋盤型重』や『茶釜型弁当』のほか、
雅やかな蒔絵を施した公家の弁当箱など、
当時の感性や遊び心を反映した名品が並んでいます。
そのお弁当箱が、どんなシーンで使われていたのかをイメージできるよう、
行楽の様子などを描く屏風絵やお軸も併せて展示されています。
江戸時代の遊び心に脱帽!【お辨當箱博物館】
所在地:京都市東山区問屋町通五条下ル上人町433
電話:075-525-0008
開館時間:9時~17時
休館日:無休
入館料:無料
京都のおすすめミュージアム 龍谷大学・龍谷ミュージアム
言われてみれば、身近なのにあまり知られていない、
日本でも例のない“仏教”の総合博物館として開館しました。
場所は京都駅から徒歩10分余り、
世界文化遺産・西本願寺の正面にあります。
大学の博物館は大学構内にあることが多いのですが、
ここは街に開かれたミュージアムとして、
あえてアクセス至便なこの地にあるのです。
敷居の低さは、
仏教の世界を『わかりやすく』紹介するという展示姿勢ともリンクしています。
母体の龍谷大学は、浄土真宗本願寺派の仏教系大学で、
本山はもちろん西本願寺。
シリーズ展では釈迦の誕生から、
日本に伝播するまでの過程や教えを紹介しています。
神格化され宗教となり、東アジアに広まる様子は、
スペクタクル巨編映画の一端を覗いているようでワクワクします。
クライマックスは、
中国やトルファンのベゼクリク石窟寺院にあった大回廊を復元展示。
西本願寺障壁画の修復にも携わった、
龍谷大学古典籍デジタルアーカイブ研究センターが制作し、
極彩色の仏教壁画が鮮やかに浮かび上がりました。
ここに足を運ぶ理由は、単に仏教の歴史を学ぶためだけではなく、
その思想は時に、悩み多き現代人の道標ともなるようです。
京都にたくさんあるお寺めぐりも良いですが、
その前に、知っていたつもりの何かが腑に落ちて、
お寺めぐりの予習という使い方もできます。
仏教を体感する専門館【龍谷大学・龍谷ミュージアム】
所在地:京都市下京区堀川通正面下ル(西本願寺前)
電話:075-351-2500
開館時間:10時~17時(展示会開催中のみ開館)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日休)
入館料:シリーズ展観覧料は\500円(特別展は異なります)
京都のおすすめミュージアム 京都大学総合博物館
京都大学吉田キャンパスの一角、
東大路通りに面した京都大学総合博物館は、大学構内にありながら、
関係者でなくても気軽に入館できることは、あまり知られていません。
京都大学は創設以来、知の伝統が研究者一人ひとりに受け継がれていて、
ここで展示されるのはその成果物です。
学術標本資料はなんと約260万点にのぼり、
なかには国宝や重要文化財に指定されているものもあります。
館内の展示は、自然史、文化史、技術史の3つで、
内容は幅広くかつ細分化されていて、とにかく奥が深い!
いずれも研究者の生涯が詰まった発表だけに、
その分野を全く知らない人も、引き込まれてしまうような熱量があります。
自然史ゾーンにある『ランビルの森』の展示は、
京都大学が得意とするフィールドサイエンスそのもの。
葉まで精巧に再現した大きな熱帯の木や、現地で収録された自然の音、
遠くマレーシアの地で20年以上続いている野外調査の臨場感を、
全身で感じてみませんか?
【京都大学総合博物館】
所在地:京都市左京区吉田本町
電話:075-753-3272
開館時間:9時30分~16時30分
休館日:月曜・火曜日
※毎年、6月18日と8月第3水曜日は休館です。
入館料:\400円
京都のおすすめミュージアム 清水三年坂美術館
『美は細部に宿る』を体現!
幕末から明治に作られた美術工芸品は、
近年“超絶技巧”という冠と共に紹介されることも…
平穏な江戸時代にお大名お抱えの技師たちによって技術が醸成され、
高みに達した幕末。
明治に入ると、その大半が政府主導による外貨獲得の輸出品として、
制作されるようになり、
海外では高く評価される一方、
日本人の目に触れることのなかった漂泊の時代でした。
日本国産にもかかわらず、現在になってその価値が国内で評価されるのには、
そのような歴史的背景があったのです。
『清水三年坂美術館』は、
明治の名品を技法とともに紹介する貴重な美術館です。
少数精鋭で大物もありませんが、
思わず背筋が伸びるような存在感を放つ作品ばかりです。
狂気すら感じられる技と細やかな筆致に垣間見える手の温もり、
そんなギャップに目眩を覚えます。
ここまでくると、それらはもう、
鑑賞するのではなく対峙する心持がちょうどいい感じです。
超絶技巧の逸品と対峙する 【清水三年坂美術館】
所在地:京都市東山区清水3-337-1
電話:075-532-4270
開館時間:10時~17時
休館日:月・火曜日(祝日は開館)
入館料:\800円
京都のおすすめミュージアム 泉屋博古館
まずはカタチから入門!
ユニークな青銅器の世界『泉屋博古館』
日本の三大財閥の一角を占めた住友家のコレクションの、
保存公開を目的に、昭和45年(1970年)に開館しました。
泉屋博古館は、
主に第十五代当主が蒐集した中国古銅器と鏡鑑を約500点所蔵しています。
中国の殷、周時代(紀元前17世紀から紀元前221年)を中心とした、
青銅器の充実ぶりは、国内でもトップクラスで、
関西で青銅器を見るのならココと言っても過言ではありません。
4室ある展示室の第1室には名品を陳列し、
第2室と第4室はテーマを設けて展示されます。
また第3室では企画展も開催されます。
青銅器は祭祀具から生活道具まで様々ですが、
表面に怪獣の顔を大きく描くものや、動物をのせるものなど、
どれをとってもデコラティブです。
抽象的なのは酒器の『虎卣(こゆう)』で、
後ろ足と尻尾で立った全身模様だらけの虎が、
ザンバラ髪の人間を抱きかかえる造形は、
現代人にとっておよびもつかない発想です。
たとえ装飾に込められた時代的、宗教的背景がわからなくても、
ユニークなカタチやデザインを見ているだけでも楽しめます。
【泉屋博古館】
所在地:京都市左京区鹿ケ谷下宮ノ前町24
電話:075-771-6411
開館時間:10時~17時
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日休)
※2018年12月初旬~2019年2月末までは休館です。
入館料:\800円
京都のおすすめミュージアム 高麗美術館
朝鮮半島の美術品ばかり1700点を所蔵する高麗美術館は、
すべて創始者であるチョン・ジョムン氏がの本で集めた物です。
チョン氏は6歳の時に家族とともに日本に渡り、
貧困の中、苦労を重ねて京都に根差した実業家です。
ある時、古美術店で目にした朝鮮白磁の丸壺に魅了され、
以来、自分の足で全国各地を巡り、
朝鮮から日本へ渡ってきた美術品を収集しました。
古美術に対して愛でるに止まらず、歴史を学び、
朝鮮と日本の関係を見つめ、
季刊誌『日本の中の朝鮮文化』を50号にわたって刊行するほど、
没頭したのです。
「韓国・朝鮮の美を言語や思想、主義を超えて伝えたい」という思いから、
1988年、私財を投じて美術館を創設し、その4か月後にこの世を去りました。
李朝白磁をはじめ、絵画や仏教美術、ポシャギや家具まで、
所蔵品は多岐にわたり、企画ではその背景まで迫っています。
「美術は歴史に中で生まれます。美術品の根っこにある歴史や文化を感じ取って頂けたら」と、
遺志を受け継ぐ、長男で学芸部長のチョン・フィドゥ氏。
日本との繋がりや、新たな発見も数多く見出せます。
30周年を迎え、特別展が続く2018年は、
より深く知る機会になりそうです。
美術から見つめる 朝鮮と日本の結びつき【高麗美術館】
所在地:京都市北区紫竹上ノ岸町15番地
電話:075-491-1192
開館時間:10時~17時
休館日:水曜日(祝日の場合は翌日休)
入館料:\500円(特別展は異なります)
あとがき
小さな美術館や博物館はまだまだあります。
個人で運営されている美術館や博物館は、
私財を投げうってまでされているところが多く、
その拘りがハンパない感じです。
個性豊かな隠れたミュージアムを、
探してみるのも楽しいですよ!