縄文展東京国立博物館特別展2018 縄文時代の土器と土偶 一万年の美の鼓動

芸術


縄文展一万年の美の鼓動
東京国立博物館特別展の開催日時など概要をお知らせします。

女性を模し、多産や農作物の豊饒を願って生み出された土偶は、
土器と同様、縄文時代を通じて作られたものですが、
手足や目鼻口がはっきりした人体表現が目立つようになったのは中期以降です。

不思議な顔や体の構造に目を奪われがちですが、
同じ年代の地域の土器と共通の模様が刻まれている点に注目です!

  

縄文展東京国立博物館特別展の開催日時とチケット前売り情報

縄文展一万年の美の鼓動 東京国立博物館

★開催日

2018年7月3日(火)~9月2日(日)まで

★開館時間 

午前9時30分~午後5時 (入館は閉館の30分前まで)

金曜・土曜は午後9時まで
日曜および7月16日(月・祝)は午後6時まで

★休館日

月曜日と7月17日(火)
(ただし7月16日[月・祝]、8月13日[月]は開館)

★会場

東京国立博物館

〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
お問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)

東京国立博物館ウェブサイト http://www.tnm.jp/

縄文展一万年の美の鼓動  http://jomon-kodo.jp/

★アクセス

[ 交通案内 ]
JR上野駅公園口、鶯谷駅南口より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、
東京メトロ千代田線根津駅、
京成電鉄京成上野駅より徒歩15分

★観覧料

観覧料(税込) 当日券   前売券  団体券
一般    1,600円   1,400円  1,300円
大学生    1,200円   1,000円  900円
高校生    900円   700円  600円

中学生以下無料
障がい者とその介護者1名は無料(入館の際に障がい者手帳などをご提示ください)
団体は20名以上

前売券は4月3日(火)から7月2日(月)まで、
東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ閉館の30分前まで)
展覧会公式サイト、各種プレイガイドにて販売。

★チケット取り扱い

東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ)
展覧会公式サイト(オンラインチケット)
セブンチケット(セブンコード:062169)
ローソンチケット(Lコード:32461)
チケットぴあ(Pコード:768-916)
イープラス、CNプレイガイド

前売券販売期間 2018年4月3日(火)~7月2日(月)
当日券販売期間 2018年7月3日(火)~9月2日(日)

★特別前売券

グッズセット前売券

Ⓐ「発掘現場必携アイテム」セット券

¥2,500(税込)※1000セット限定

夏の発掘現場にもおでかけにも役立つ、
「保冷剤」と「軍手」がセットになった前売券。
「保冷剤」と「軍手」は「遮光器土偶」のイラストをあしらった
本展オリジナルデザインです。

Ⓑ「土偶ペンライト」セット券

  ¥2,500(税込)※1000セット限定

「遮光器土偶」が神秘的に光る本展オリジナルペンライトとのセット前売券。
夜の上野公園散策のお供にもどうぞ(博物館展示室内では点灯できません)。

Ⓒ「土偶パペットタオル」セット券

 セブンチケット限定
¥3,200(税込)※2000セット限定

ポーチにもパペットにもなる、
「どっとぽーち(.POUCH)」のファスナー付ハンドタオルが遮光器土偶に!
本展オリジナルデザインです。

縄文展東京国立博物館特別展の見どころ

縄文時代の遺跡は、これまでに9万件を超える数が確認されていますが、
数多ある縄文時代の出土品のなかでも国宝はたったの6件。
縄文の美の極みともいえるこの6件すべてが、初めて勢ぞろいします!

「土偶 仮面の女神」「土偶 縄文のビーナス」は
7月31日(火)〜9月2日(日)展示されます。

縄文土器と聞き、
炎を造形化したような『火焔型土器』を連想する人は多い。

しかし、縄文時代は今から一万三千年前に始まり、
一万年以上続いた時代です。

火焔型土器は縄文土器を代表するひとつで、
実は、年代や地域によってさまざまな物が作られていたのです。

縄文土器の形は、時代を経るほどに多彩になりますが、
技法も同様に発展していったわけではありません。

古い土器の方が、
その後の土器より技術レベルが高いこともあったりするところが、
土器の面白いところなのです。

一万年を通じて貫かれる縄文土器の共通点は、
装飾への執着心です。

機能性など二の次で、
装飾に過剰に注力している土器が多いのです。

文字のない時代なだけに、
装飾に自らが暮らす集落や地域の価値観を込めて表現したのかも知れません。

縄文時代は6つの時期からなり、
前期・中期・晩期の作品を比べると、その変化がよくわかります。

前期の土器は、一見シンプルですが、
よく見ると表面が縄文時代の名前の由来にもなっている縄目模様で、
びっしりと埋め尽くされています。

それに対して、縄文時代中期の土器は、火焔型土器にも代表される、
炎のような派手なモチーフで立体的に飾り立てられています。

一方縄文時代晩期は、文様を彫りこみ、磨き込んで仕上げた、
工芸的な手法に特徴があります。

こうした装飾性の違いに加え、
縄文土器の色は、時代が下がるほど暗くなっていきます。

前期の土器はバケツ型で薄く、
中期は大型で肉厚、
晩期は再び薄くなり、形のバリエーションが豊富になっているという、
土器の変化の傾向を知っておくと、
この縄文展を見るとき、一層興味が湧いてくるはずです。

土器の時代的な特色は、土偶ともリンクしていて、
同じ時代の同じ地域の土器と土偶には、
共通の文様が刻まれていることも多いということです。

目の前の土器の作り方や使い方、制作年代を類推できるようになると、
縄文時代という遠すぎて実感がつかめなかった時代が、
何故か近しい時代の出来事に感じ、その面白さの虜になってしまいます。

縄文展東京国立博物館特別展 縄文時代の土器と土偶

13000年前から約10000年間にわたって続いた縄文時代。

全国から土器や石器、骨角器、木器などが出土し、
高度な文化と技術を持っていたことが証明されています。

装飾過多な『火焔型土器』や『ネコ』と呼ばれる土偶、
楕円形の目が特徴の『遮光器土偶』などから、
世界史的にもユニークな縄文人の美意識を感じます。

前期 片口付深鉢形土器

太さの異なる縄の向きを変えつつ、押し付けたり、回転させたりして、
全体にさまざまな縄目を付け、細い工具で文様も刻み付けてある。

表面を埋め尽くした縄目文様こそ、
縄文前期の土器のトレードマークといえます。

後の年代の土器と比べても技術レベルが高く、
薄手の作り方や、炉に置いて使うのに適したバケツ型が特徴です。

中期 土偶 火焔型土器 

★土偶

目が鋭くつりあがった表情と耳のような造形から、
『ネコ』の通称で知られる中期の土偶。

草創期の土偶は顔も手足もない簡素な形ですが、
中期になると顔が表現され、腕や足も付いていて、
自立できる土偶も見られます。

★火焔型土器

炎のような突起や渦巻き状の飾りが付いた装飾過多な土器が多く見られます。

火焔型土器は中期に新潟を中心に作られていて、
使い勝手は悪そうですが、煤が付いているところを見ると、
実際に煮炊きに使ったと考えられます。

この土器の高さは34.5㎝ですが、
集落が大規模化した中期には、
高さ1mほどの大型の土器がつくられることもあったようです。

★縄文時代中期、
中国や諸外国では既に弥生土器風の簡素な器が焼かれていました。

日本の土器は世界に比べて大きく遅れていたのでしょうか?

世界的に器は、農耕が始まると簡素化するようで、
当時、中国は既に農耕を始めていました。

縄文時代の日本は、狩猟採集で暮らせるほど自然の恵みが豊かだったため、
土器の装飾が隆盛したのではないかといわれています。

晩期 遮光器土偶 壺形土器

★遮光器土偶

縄文期には、超自然的存在を具現化したような不思議な土偶も作られました。

楕円形の目が特徴の『遮光器土偶』は、
線で文様を彫り、磨く手法は同時期も土器にも通じる模様で、
色味が暗いのも晩期の土器との共通点です。


★壺形土器

縄文晩期の土器の装飾面の特徴は『彫』と『磨き』です。

過剰な立体装飾は影を潜め、
工具で文様を彫り、線と線の間に縄文を付けたり、
無文の部分を光るまで磨き込んだりした、
“静かな美”が感じられる工芸的な土器が出現しました。

器を使う場面が多様化し、従来の深鉢だけでなく、
壺や注口土器が作られるようになったのも縄文晩期のようです。

弥生時代 壺形土器

弥生時代の壺型土器は、厚手で黒ずんだ縄文土器に比べて、
薄くて硬く、色は明るい。
これは稲作文化とともに大陸から伝わった、新たな焼製法が生んだ特徴です。

器の種類も米の煮炊きや保存に向くシンプルな甕や壺が主体となり、
文様は縄文時代より簡素化していきました。

あとがき

一万年前に生きた人々が、何を考え、何を感じ、
どのように暮らしていたかを、土器や土偶が語ってくれます。

何だか、今生きている自分たちがちっぽけに見えてきます。