東京国立博物館で仁和寺の特別展
『仁和寺と御室派のみほとけ』天平と真言密教の名宝が公開されます。
御室の桜で有名な京都の仁和寺にまつわる秘宝が、
多数公開される貴重な機会です。
東京国立博物館での開催日時や、
特別展の見どころについて、
チケット情報も併せてご紹介します。
東京国立博物館特別展『仁和寺と御室派のみほとけ』
東京国立博物館で開催される特別展
~~『仁和寺と御室派のみほとけ』天平と真言密教の名宝~~
2018年1月16日から3月11日まで開催されます。
真言密教の仁和寺は、歴代天皇のあつい帰依を受け、
絵画・書跡・彫刻などの名品を数多く収めています。
さらに、仁和寺を総本山とする御室派の寺院は約790か所あり、
優れた仏像を安置するお寺もたくさんあります。
特に葛井寺(ふじいでら)の『千手観音菩薩坐像』は、
天平彫刻の傑作として知られています。
江戸時代の出開帳以来、初めて東京国立博物館で公開されます。
仁和寺とは
京都にある 真言宗御室派総本山 大内山『仁和寺』は、
『古都京都の文化財』として世界遺産にも登録されています。
皇室ゆかりの「御室御所」と呼ばれ、
最古の紫宸殿が現存しています。
桜の名所の多い京都の中で、最も遅咲きの桜「御室桜」で知られる仁和寺は、
886年 光孝天皇の勅願によって建立が始まりました。
しかし、光孝天皇が翌年崩御され、次に譲位された宇多天皇がその遺志を継ぎ、
888年に完成させました。
897年に譲位した後、宇多天皇が出家し仁和寺の初代門跡を務めたことから、
仁和寺は長い間「御室御所」と呼ばれていました。
伽藍の大半は応仁の乱(1467年~1478年)によって焼失し、
現在のお堂や塔などは、江戸時代に入って再建されたものです。
ちょうど慶長の御所の造り替えの時期とも重なったことから、
金堂や御影堂など、多くの建造物が御所から移築されました。
中でも金堂は、1613年に建立された内裏の正殿である紫宸殿を移築したもので、
現存する最古の紫宸殿として雅やかさを感じることができます。
ほかにも、京都三大門のひとつに挙げられる二王門や、
どっしりとした風格を称える五重塔、
渡り廊下で趣の異なる書院や庭が結ばれた御殿、
国宝を含む仏像などを数多く所蔵しています。
東京国立博物館特別展『仁和寺と御室派のみほとけ』の見どころは
当時もっともすぐれた工房の作品で、
高倉天皇宸翰消息(国宝)は皇室との深いかかわりを物語るものです。
仁和寺特別展では、仁和寺の寺宝のほか、
仁和寺を総本山とする御室派寺院が所蔵する名宝の中から、
選りすぐりの160点が一堂に紹介されています。
【国宝】阿弥陀如来坐像は仁和寺創建時の本尊で、平安時代・仁和4年(888年)の作とされ、
阿弥陀如来像の中では最も古い作品です。
【国宝】薬師如来坐像 平安時代・康和5年(1103年)円勢・長円作
仁和寺蔵の秘仏で、像高わずか12㎝弱の白檀を精緻に彫刻し、
木地に直接金箔で細やかな文様を施した美しい作品です。
【国宝】千手観音菩薩坐像、大阪・葛井寺蔵
毎月18日にのみ開帳される葛井寺の秘仏で、現存最古の千手観音菩薩像です。
天平彫刻のもっともすぐれた作品で、大手は40本、小手はなんと1001本
東京で開帳されるのは江戸時代に品川で出開帳して以来400年ぶり!
(展示期間は2月14日~3月11日)
【重要文化財】如意輪観音菩薩坐像 兵庫県・神呪寺蔵 10世紀の作品
年に一度、5月18日にのみ開帳される神呪寺の秘仏本尊
一木造で細身の表現が特徴
【見どころ】
江戸時代の仁和寺再興期に再建され、僧侶の修行道場の為に、
一般には非公開の観音堂を展示室に再現!
観音堂内に実際に安置されている仏像33体に加え、
壁画も高精細画で再現し、
一般には触れることのできない堂内の厳かな空気を体感できます。
東京国立博物館特別展『仁和寺と御室派のみほとけ』のチケット情報
東京国立博物館特別展
『仁和寺と御室派のみほとけ』天平と真言密教の名宝では、
この特別展でしか見ることのできない“秘宝・秘仏”が数多く展示されています。
会 期 2018年1月16日(火) ~3月11日(日)
会 場 東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、金曜・土曜は21:00まで開館)
休 館 日 月曜日(ただし2月12日(月・休)は開館、2月13日(火)は休館)
【観覧料金 当日券】
一般1600円
大学生1200円
高校生900円
中学生以下無料
【観覧料金 前売り券】
一般1400円
大学生1000円
高校生700円
【観覧料金 20名以上の団体料金1人分】
一般1300円
大学生900円
高校生600円
障がい者とその介護者一名は無料です。
入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
【前売券】
東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)
展覧会公式サイト
ほか主要プレイガイド
2017年11月1日(水)~2018年1月15日(月)まで販売
「東京・ミュージアムぐるっとパス」で、
当日券一般1600円を1500円(100円割引)でお求めいただけます。
正門チケット売場(窓口)にてお申し出ください。
東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、
当日券を1000円(200円割引)でお求めいただけます。
正門チケット売場(窓口)にて、
キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示下さい。
【講演会・講座】
・フォーラム(1)「観音堂解体修理の最新報告」
平成館 大講堂 2018年1月19日(金) 13:30~15:30 *開場は13:00を予定
平成館 大講堂 2018年2月10日(土) 13:30~15:00 *開場は13:00を予定
平成館 大講堂 2018年2月17日(土) 13:30~15:00 *開場は13:00を予定
あとがき
仁和寺の観音堂は、僧侶の修行道場のため、
普段は一般公開されていない場所なのですが、
その非公開の観音堂が忠実に再現されている今回の特別展は、
一見の価値があると思います。
仁和寺に守り伝えられてきた観音堂を全身で感じることのできる空間は、
是非とも体感したいものです。