興味津々

安楽寺 秋の京都特別公開2018拝観日はいつ?悲しい歴史とかぼちゃ供養

安楽寺は銀閣寺や法然院のすぐ近くで、
紅葉の名所です。
安楽寺の紅葉は美しいく、
赤く染まった庭園は見ごたえがあります。
秋の特別公開の日程をご紹介します。
安楽寺にまつわる二人のお姫様の悲しい歴史と、
カボチャ供養についてお伝えします。
  

安楽寺 秋の京都特別公開2018拝観日はいつ?

毎年、春のさくら、つつじ、さつきの季節と、
秋の十一月~十二月の紅葉の季節に、
庭園や本堂、書院を一般公開しています。

仏さまのみ教えに触れていただきたいという願いを込め、
本堂で30分おきに約10分間、
寺の由来やお木像の説明をさせていただいております。

法務がない時間帯は、住職が本堂におりますので、
寺の縁起のこと、仏教のこと、
植物のことなどお尋ねがありましたら、できる限り対応させていただきます。

また、納経(朱印)は書院(または、受付)で受け付けております。

秋の特別公開
11月1日~12月10日(土日祝のみ)

散紅葉に覆われた石段の先に、紅葉に包まれた萱葺の山門が見えます。

色づき始めは、11月中旬からで、

見頃11月下旬から12月上旬が見頃です。

開館時間
9:30~16:30(土日祝のみ)
料金など
拝観料 500円

住蓮山安楽寺
http://anrakuji-kyoto.com/

市バスでのアクセス

京都駅から
市バス5号系統「岩倉操車場」ゆき 「真如堂前」下車 徒歩約15分

四条河原町から
市バス203号系統「祇園・錦林車庫」ゆき 「真如堂前」下車 徒歩約15分

出町柳駅から
市バス17号系統、102号系統、203号系統 「錦林車庫前」下車 東へ徒歩約15分

神宮丸太町駅から
市バス93号系統、204号系統「錦林車庫前」下車 東へ徒歩約15分

白川通 …歩道橋のすぐ南の道を上り、
公園・小学校を右手に見ながらカーブの坂を上ります。
鹿ヶ谷通…クリーニング屋さんの坂道を疎水を越えて、
突き当たりの霊艦寺さん前を左へ。

安楽寺の悲しい歴史とは

安楽寺は桜や紅葉が見事で、
散策コースとして人気が高い「哲学の道」の一本山際の道に面していて、
紅葉の名所としても知られています。

ですが実は、このお寺にはカボチャ供養のほかに
悲しい歴史が伝えられています。

安楽寺は、念仏の教えを説き、
浄土宗を開いた法然上人の弟子で、住蓮上人と安楽上人の二人が、
『鹿ケ谷草庵』をこの地に結んだのが始まりです。

山門前の石柱には、「浄土礼讃根元地」と刻まれています。

両上人は、唐の善導大師(ぜんどうだいし)の『往生礼讃』に、
大原魚山(天台宗)の礼讃声明(らうさんしょうみょう)を転用して、
浄土礼讃を完成されました。

この二人のお上人様の念仏の教えと、お二人が唱える念仏の美声は素晴らしく、
それに感化されて多くの人が出家を願った程でした。

その中に、後鳥羽上皇が寵愛する側近の
松虫姫と鈴虫姫という姉妹がおりました。

二人の姫は左大臣の娘で容姿端麗で教養も豊かなこともあって、
ことのほか上皇に寵愛されていました。

しかし、二人の姫は上皇の留守中に御所から抜け出し、
鹿ケ谷草庵へ行き、念仏の教えを聞いて感銘し、
住蓮上人と安楽上人に出家を願い出ました。

両上人は上皇のお許しがないので初めは躊躇していましたが、
二人の姫の真剣さに打たれて、
ついに姫たちの黒髪を剃り落とし、尼僧にしたのです。

これを知った後鳥羽上皇は激怒し、
念仏の教えを説く僧侶に弾圧を加えました。

住蓮上人と安楽上人は捕らえられて斬首に処され、
法然上人は讃岐国に、親鸞上人は越後に流罪となりました。

これが『建永の法難』といわれる事件でした。

松虫姫と鈴虫姫は瀬戸内海の生口島に逃れて、
この島の光明坊で念仏三昧の生涯を送り、
松虫姫は35歳、鈴虫姫は45歳で往生を遂げたと伝えられています。

住蓮上人と安楽上人、両上人が亡き後、
鹿ケ谷草庵は荒廃したのですが、法然上人が流罪から帰京すると、
両上人の菩提を弔うために草庵を復興しました。

その草庵の名前は、二人の名前にちなみ
『住蓮山安楽寺』と名付けられました。

その後は、真空益随のカボチャ供養によって、
安楽寺は人々の信仰を集めて発展し、今日に至っています。

安楽寺の境内には住蓮と安楽の墓供養塔が置かれ、
その傍らには、松虫と鈴虫の供養塔もひっそりと建てられているのです。

お祀りされているお本尊様は、阿弥陀如来様です。

安楽寺は、別名を『松虫鈴虫寺』と呼ばれています。

かぼちゃ供養で知られる安楽寺

かぼちゃを食べて中風封じ

『中風』とは脳血管障害の後遺症で、
半身不随・言語障害・手足のマヒやしびれなどの症状を言います。

中高年の方はみな中風にならないように注意が必要ですが、
中風封じにご利益があるとして知られるのが、
京都 左京区の「哲学の道」にある浄土宗の安楽寺です。

毎年七月二十五日には中風封じの「カボチャ供養」が行われ、
この日の参拝者にお寺で煮炊きした鹿ケ谷かぼちゃを頂いて、
中風にならないように御祈祷します。

お寺の伝えるところによると、
江戸時代の寛政年間(1789年~1801年)に、
京都の粟田に住んでいた玉屋藤四郎が、青森県へ行った際に、
かぼちゃの種を持ち帰りました。

この種を
鹿ケ谷に住む庄兵衛に与え、当地で栽培したところ、
突然変異して瓢箪型のかぼちゃが出来たのだそうです。

江戸時代末期に、安楽寺を復興した真空益随という住職は、
都に中風で苦しんでいる人が多いのを知って、
何とかならないものかと本堂で祈願していました。

するとその時、
ご本尊の阿弥陀如来様から、
「夏の土用の頃に鹿ケ谷かぼちゃを振舞えば中風にならない』と告げられ、
以後、
毎年七月二十五日にカボチャ供養を行い、
それ以来、220年も続く伝統行事になっています。

かぼちゃは『冬至にカボチャ』といわれるように、
カボチャはリノレン酸やビタミン類、ミネラルなどが豊富に含まれ、
健康効果が高く、特に中風の予防には最適な食べ物です。

京野菜のひとつ 鹿ケ谷かぼちゃは、
栄養効果が高いことが実証されています。

そこで毎年七月二十五日のカボチャ供養の日には、
中風封じのご利益を得ようと、
安楽寺に大勢の人が参拝に訪れるのです。

あとがき

京都にはいくつもの紅葉の名所といわれる神社仏閣がありますが、
どこも人だらけで、
紅葉の風情を味わうには賑やかすぎるかもしれません。
安楽寺は意外な穴場かも知れませんね。

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