お子さんの七五三参りというお祝いで、
子供の晴れ着は準備したけど、
母親が着る着物はどんな種類がいいのか、
お母さんは頭を悩ませていませんか?
思い出に残しておきたいこの日に、
お母さんの素敵な着物姿を
子どもはきっと喜んでくれることでしょう。
七五三参りで母親が着る着物について、
まとめました。
七五三で母親が着る着物の種類は何がいい?
七五三の時の記憶
七五三は子供が3歳・5歳・7歳になった
(無事に育ってくれた喜びと感謝を表す)お祝いです。
七五三のお子さんのお母さんは
早ければ20代ですが、概30代~40代の女性ですよね。
『自分が産んだ我が子が元気に大きくなってくれた』と、
感慨も深いものがあるでしょうね。
七五三といえば、子供のお祝いですが、
お母さんは、
頑張って産んだ!頑張って育てた!と、
ちょっぴり自分を褒めてあげたい日でもありますね。
ほんの少し目線を変えればお母さんにとって、
日々、子育てに奔走している毎日ですが、
着物を楽しむための絶好の機会でもあるのです
是非、お母さんも着物姿で七五三を一緒に祝ってあげましょう。
ちょっと考えてみてください!
アナタは何歳位からの記憶がありますか?
歳をとってから考えてみると、
ちょうど七五三くらいの時の、
初めての記憶が断片的にですが思い出されます。
きっとあなたのお子さんにも、
七五三の時、
お母さんがきれいな着物を着ていたという記憶が残るはずです。
着物のマナー 着物も洋服と同じ
きものを普段に着る女性が少なくなって、
どういう場面でどんな着物を着ればいいのか、
また、それを教えてくれる人も少なくなりました。
着付け教室や着物学院は掃いて捨てるほど(失礼!)ありますが、
着物の作法を学問のように教えようとするため、
こうでなければならない!
このようにしなければいけない!
と、定義づけて教えられます。
ルールやマナーといわれるものが難しくなりすぎて、
そのために着物を着づらくなってしまったようです。
着物も洋服と同じように、
『暑くなったら単衣を着て、寒くなったら袷を着る』
これでよかったと思うのですが、
何月何日にはこの着物を・・・となってしまいました。
まさか真夏の8月に綿入れを着る人もいないと思うのですが、
その人が風邪を引いていて、
寒くて仕方がなければそれもアリですよね!
ルールとマナーの違いを簡単に言うと、
ルールは決まり事で、マナーは一般常識。
そして一般常識は、臨機応変という言葉がありますが、
その場面に応じて融通を効かせることが出来るものです。
着物のルール 第一礼装
着物のルールとして知られているのは、
未婚女性の第一礼装は振袖、
既婚女性の場合は黒留袖となっています。
黒留袖は染め抜きの五つ紋が付いていて、
下重ねもしくは比翼仕立て(同じ形の白い無地の袷を重ねて着る)
江戸褄と呼ばれる柄は裾模様で、共八掛になっている。
衿付けや袖口に星躾(グシ)という飾り縫いがある。
帯は丸帯か袋帯で、二重太鼓に結ぶ。
帯揚げは白無地(金銀の縫い取りがあってもよい)
帯締めは白の丸絎けまたは白・金・銀の組みひもで、
振り違えのものは金が左側になるように締める
長襦袢もその半襟も白無地で、足袋も白です。
草履は白・金・銀のエナメルまたは佐賀錦などの無地
バックも草履に合わせたもの。
黒塗りの金銀両面の扇子(房なし)を持つ。
これは既婚女性の第一礼装としての黒留袖で、
色留袖というのは、着物の黒い生地が色物に変わっただけで、
格は同格とされています。
ということで、礼装以外は窮屈な慣習(因習)に囚われず、
一般的な常識を身に着ければ問題ないと思います。
ルールとして守らなければいけないことは、
『着物は右袷に着る』コレだけです。
元正天皇の養老3年(719年)2月3日に出された衣服令の中に、
『天下百姓オシテ襟ヲ右ニセシム』(続日本紀)とあります。
上は天皇から下は百姓まで、
襟合わせをするときは右襟を先に合わせなさい。ということなのです。
日本の着物は、襟を右袷にするという法律で、
これは大陸の文化にならって国を作り上げてきた日本の、
被服史における独立宣言といえるのではないでしょうか。
そして、それが今も受け継がれている日本の着物のルールです。
ですから、それ以外のルールに関しては、
根拠のない後付けだと思います。
(これは私的見解です。エラそうにすみません!)
七五三で母親が着る着物
普段着物を着る機会が少ない方は、
七五三で母親が着る着物の種類は何がいいの?って、
悩むことがあるかもしれません。
七五三は11月15日で、
その頃に七五三参りをされると思います。
秋も深くなっていますので、袷の着物を着ます。
礼装以外の着物で、格付けをするならば、
訪問着→付け下げ→色無地→おしゃれ着→普段着になります。
★訪問着とは
着物を仕立てた時の縫い目に途切れずに柄があり、
柄が絵のように繋がっている。
八掛が共布でできていて繋がっている。
仮絵羽の状態で販売されている。
★付け下げ(附下げ)とは
柄は縫い目を越して繋がってはいないが、柄に上下の向きがある。
八掛は共でないものが多い
切らずに巻いた反物で売られていて、
柄袷が出来るように墨うちがしてある。
★色無地とは
単色の一色に染まっていて柄はない。
生地は縮緬のほかに綸子地のものもあり、地紋によっては慶弔を選ぶ。
八掛は共のものが多い。
紋を入れることもある。
一つ紋・三つ紋
染め抜きの紋・影紋・縫い紋・加賀紋
紋の付き方で略礼装にもなり「格の微調整」が出来ます。
この3種類の着物どれでも七五三に相応しいです。
着物の種類でよく出てくる留袖(色留袖)は、
着物の格が高すぎて、
七五三の母親の服装としてはTPOに合わなくなってしまいますので、
留袖は避けたほうが無難です。
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七五三の母親 着物は色無地がおすすめです!
七五三に母親が着る着物は、
訪問着・付け下げ・色無地などが相応しいと思われます。
しかし、七五三の主役はあくまでも子供です。
子供の衣装にあわせて、
お父さんお母さんの着るもののバランスを考えましょう。
七五三では写真を撮って、後々に残しておきたいですから、
おしゃれには力が入ってしまいますが、
後から『しまった!』と感じないためにも、
全体のバランスがとれているかがポイントです。
華やかな訪問着も素敵ですが、
派手になり過ぎたり、お父さんがショボく見えないかも気遣ってください。
ということで、
七五三のお母さんには、色無地をお勧めします。
一色染の色無地は、目的に合わせて着分けることが出来る、
利用範囲の広い着物です。
紋が付いていると、地色にもよりますが、
慶弔両用の準礼装になります。
七五三だけでなく、子供の卒・入学式や、いろいろなお祝い事から、
お茶席、お通夜・法事などに、
一つ紋付の色無地ほど便利な着物はありません。
明るく華やかな色は、慶事用に、
慶弔両用にする場合は、
紫・藍・ねずみ色系などシックな色目を選びます。
色無地は紋の数によって格が変わります。
五つ紋はかなり改まった式服に、
三つ紋は紋の付いていない訪問着より格が上の準礼装になります。
色無地は紋のお洒落が映える着物です。
正式な染め抜きの紋や、略式の刺繍紋が一般的ですが、
社交着として着るのでしたら、
洒落紋を付けるのも楽しいおしゃれの仕方です。
色無地の生地となる、染める前の白生地は、
地紋のない一越縮緬や綸子、紬などのほか、
地紋のあるものも使われます。
地紋入りを選ぶ場合、
慶弔両用には流水・波・有職文様など。
慶事用には御目出度い吉祥文様を選びましょう。
七五三や入園・卒園式、
入学式と色無地が活躍する場面がたくさんあります。
色無地の色目としては、淡い色がおすすめです。
何度も同じ色無地を着ても、
帯や小物を変えてコーディネートすれば雰囲気も変わって、
全く違う着物のように見えますが、
濃い色ほど人の記憶には残りやすいようです。
「淡い色目は汚れやすいから・・・」と敬遠されがちですが、
汚れるのは濃い色も薄い色も同じことです。
着る前に撥水加工(パールトーン)などを施しておけば安心です。
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七五三 母親の着物は帯や小物でコーディネート
『着物一枚帯3本』という言葉をご存知ですか?
着物が一枚しかなくても、違った雰囲気の帯が3本あれば、
3枚着物を持っているのと同じくらい、
着こなしの幅がありますよ、という意味の言葉です。
たとえば、色無地の着物でも、
金銀地の袋帯、
帯締め帯揚げも金糸銀糸の入った格の高いもの、
また草履、バッグなども格の高いものを合わせることによって、
全体の格が上がりお祝いの場にふさわしい装いになります。
これが色無地のコーディネートによる「格の微調整」です。
金銀地でない洒落帯や染め帯を締めると、
観劇やショッピングのようなお出かけにも素敵ですし、
黒共帯を合わせると(小物も喪服用)
お通夜や法事にも色無地を着ることが出来るというものです。
これは帯を3本で3通りという意味ではなく、
違った帯を合わせることで、
何通りにでも着ることが出来るという意味です。
七五三は通過儀礼ですが、入学式のような式典ではなく、
内々のお祝い事です。
訪問着・付け下げ・色無地
どの着物も七五三参りのお母様のお着物として相応しいです。
お祝い事ですので金銀地の袋帯を合わせますが、
小物は礼装用までは必要ないと思われます。
この帯揚げや帯締めといった小物の合わせ方が難しいと、
おっしゃる方も多いのですが、
そこはそれほど気負わず、
お洋服の時スカーフを選ぶ感覚で良いと思います。
色無地の着物でも、襟もとを少し華やかにするために、
比翼襟を付けたり、
襦袢の半襟に刺繍をあしらったものを用いても雰囲気が変わります。
帯の色や柄を活かして、小物の帯揚げや帯締めを控えめにするか、
帯揚げや帯締めの色を指し色としてポイントに持ってくるかは、
お好みでということです。
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あとがき
着物は決まりごとがあって難しいと言われますが、
それほど気にしなくていいのではないでしょうか。
『見た人を不快になせない』
着物に限らず、お洋服の時でも同じことが言えると思います。
時・場所・場合を考慮した、
人への気遣いをもってファッションを楽しみたいものです。