台風が発生する原因と動き方 進路予想図の見方 台風情報 表現の種類

気象現象

台風というのはどうして発生するのでしょう
台風がどんな構造になっているかを知って
台風の動き方や起こる原因を理解し
進路予想図の見方がわかるようになれば
台風が発生した時の台風情報が よくわかるようになります
台風情報の表現が理解できれば
より的確な防災対策ができます

  

台風が発生する原因と動き方は

台風が発生する場所は 一年中暑い熱帯地方である北緯5度から20度くらいの海上で
このあたりの海は他の場所と比べて海水の温度も高く雲が多く
台風が渦を巻く力もあるためです

〇台風のエネルギー源となるのは

熱帯の海上にいったん空気の渦ができると 
渦の中心に向かって多く水蒸気を含んだ空気がまわりから流れ込みます
そして 上昇気流が生まれます

雲が作られ 雲は背高く成長して積乱雲にまで発達します
雲のできる過程で 水蒸気が水粒に変わります

そのとき 非常に多くの熱を放出します
その熱がまわりの空気をあたため 上昇気流はさらに強まります

これが繰り返されていくうちに 小さな渦は大きな渦にまで発達します

熱帯低気圧の発生で 熱帯低気圧が発達すると台風となります

同じ熱帯でも 大陸には熱帯低気圧はできません
これは 海から放出される莫大な水蒸気が台風のエネルギーの源だからです

〇台風(熱帯低気圧)と温帯低気圧はどう違うのか

台風は 熱帯大気という同じ性質の空気のなかで生まれて発達します

温帯低気圧は 異なる2つの空気の衝突で生まれます

低気圧の中心からのびる前線は 異なる気団の境目です
両者の性質が異なるほど 温帯低気圧は発達します

熱帯低気圧とは
熱帯低気圧の風速は 中心に近づくと急に強くなります
等圧線は 丸く 中心付近で急に混んでいて
熱帯低気圧は前線を伴いません ただし 周囲の風向きは違います
日本へやってくる台風の時期は 夏から秋が多い傾向にあります

温帯低気圧とは
風速は一様に強く 発達した低気圧では 中心付近よりも周囲のほうが強いです
等圧線はいびつで 中心付近で混みますが おおむね一様です
温暖前線や寒冷前線を持ち 前線の両側の温度差が目立ち 風向も異なります
温帯低気圧が発生する時期は 四季を問いません

〇台風の構造はどうなっているのか

台風は回転する巨大な空気の渦巻きで
下層では反時計回りに中心に向かって空気が吹き込みながら上昇し
上層で時計回りに噴出しています

台風の高さは発達したもので約15kmで
台風の眼では下降気流がみられ 雲がなく風雨も弱くなります

台風の眼の直径はおよそ20~200kmに及びます
一般に台風の眼が小さく明瞭になるほど台風の勢力は強くなります

台風の眼の周囲はアイウォール(eyewall)とよばれる
非常に発達した積乱雲が壁のように取り巻いています
そこでは 猛烈な暴風雨となっています

アイウォールのすぐ外側には やや幅の広いスパイラルバンド(内側降雨帯)があり
激しい雨が連続的に降ります
スパイラルバンドの外側の 台風の中心から200~600km付近にある帯状の外側降雨帯を
アウターバンドと呼びます
この領域では断続的に激しいにわか雨や雷雨 時には竜巻をもたらします

台風の進路予想図の見方

台風の進路図の見方

引用:weathernews.jp

〇暴風警戒域は
台風の中心が予報円内に進んだときのことで 暴風域に入るおそれのある領域ということです

〇台風の予報円は
台風や暴風域を伴う低気圧の中心が12、24、48、72、96および120時間後に
到達すると予想される範囲を円で表したもので

台風や低気圧の中心が予報円に入る確率はおよそ70%です

〇強風域とは
台風や発達した低気圧の周辺で 平均風速が15m/s以上の風が吹いているか
地形の影響などがない場合に 吹く可能性のある領域のことで 通常 その範囲を円で示します

〇暴風域とは
台風の周辺で 平均風速が25m/s以上の風が吹いているか 地形の影響などがない場合に
吹く可能性のある領域のことです

〇台風の接近とは ある地点への台風の接近のことを言い 
台風の中心がその地点を中心とする半径300km以内の域内に入ることを指します

日本本土への接近と言う場合は 北海道・本州・四国・九州のいずれかへの接近を指します

〇台風の上陸とは
台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸に達した場合を言い
上陸・通過した時刻については 
1時間を正時及び15分・30分・45分を中心とした15分間に4分割して
それぞれ「時頃」「時過ぎ」「時半頃」「時前」と表現し 最も適した時間帯を用います

〇台風の通過とは
台風の中心が 小さい島や小さい半島を横切って 短時間で再び海上に出る場合を言います

〇台風の大きさは
台風に伴う風速15m/s以上の領域の半径を基準にして
500km以上 800km未満を 大型台風と言い『大きい』と表現します
800km以上の超大型台風の場合は『非常に大きい』と表現します

〇台風の強さは
台風の最大風速を基準にして

最大風速 33m/s(64ノット)未満は表現せず
最大風速 33m/s(64ノット)以上 44m/s(85ノット)未満を『強い台風』
最大風速 44m/s(85ノット)以上 54m/s(105ノット)未満を『非常に強い台風』と表現し
54m/s(105ノット)以上の場合は『猛烈な台風』と表現されます

台風が発生したときの台風情報 表現の種類

台風は 毎年のように日本に襲来し きわめて大きな災害をもたらすことがあります
台風が発生して日本に近づくと 各地の気象台等では台風に関する情報などを発表し
新聞やテレビ・ラジオが一斉に台風の動きを伝えます

それらの情報を有効に利用し 
災害を防止・軽減するためには台風に関する正しい知識が必要です
 

〇台風とは
北西太平洋に存在する熱帯低気圧のうち 低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを言います

〇熱帯低気圧とは
熱帯または亜熱帯地方に発生する低気圧の総称で
風の弱いものから台風やハリケーンのように強いものまであります

気象情報等で「熱帯低気圧」を用いる場合は
台風に満たない 低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s(34ノット、風力8)未満のものを指します

台風崩れの低気圧というのは 台風から変わった低気圧のことで
台風の眼とは 台風の中心付近で風が弱く雲が少ない部分のことを言います

〇豆台風
風の強い領域が小さい台風の俗称で 中心付近では急に風が強まることがあり
かえって危険な場合があります

〇風台風とは
雨による被害は比較的小さいが 風による被害が大きい台風のこと

〇夏台風とは
夏に発生する台風のことで 秋台風に比べて動きが遅く 複雑な動きをするものが多い

〇秋台風とは
その名の通り秋に発生する台風のこと
日本の南海上で進路を北東に変え 速度を早めながら日本付近に近づくことが多い

日本付近にある秋雨前線の活動を強め 大雨を降らせることがある

〇迷走台風とは
複雑な運動をし その進路の予想が困難なことがある台風のことですが
実際は複雑な動きをする台風のことで 台風が迷走しているわけではないので用いません

2つ以上の台風が接近して存在する場合に それらが互いの進路に影響を及ぼすことがあり
その結果 相対的に低気圧性の回転運動をするなど 特徴的な動きをすることがあります

台風は他の台風以外にも気圧の谷や高気圧 偏西風などの影響も受けます
個々の事例については相互作用の程度を明確に示せないことなどから
迷走台風という表現は解説には用いません

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まとめ

台風対策は万全ですか?
台風で一番怖いのは 強風です

ベランダに置きっぱなしにしてあるものや
物干し竿 スリッパも
飛んでいかないように くくりつけたり 部屋に持ち入ったり

風が強くなってからでは ベランダに出ることも危険です

台風情報をしっかりチェックして 
事前に対策をしておかないと・・・・