安井金毘羅宮の櫛祭り女の時代祭りの歴史は?行列のコースや見る穴場は?

お祭り

京都の安井金毘羅宮では
女の時代まつりと呼ばれる 櫛祭りが行われます

安井金毘羅宮とはどんな神社で
そこで行われる櫛祭りについて
どのような経緯で行われるようになったか
また
櫛祭りの日程や行事の内容とともに
女の時代まつりと言われる
時代風俗絵巻が繰り広げられるこの行列のコースが
どこを通っていくのかをお伝えします

  

安井金毘羅宮の櫛祭り 女の時代祭りとはどんなお祭り?

安井金毘羅宮

京都では “安井のこんぴらさん”と呼ばれていて
祇園 八坂神社から 南へ歩いて10分位のところにある神社です

安井金毘羅宮の東大路通りに面する鳥居には
大きく『悪縁を切り 良縁を結ぶ』という横断幕が掲げられていて

縁切り神社として テレビや雑誌でも取り上げられることの多い神社です

安井金比羅宮境内は  社務所の前に大きな”縁切り縁結び碑”があります
悪い縁を切って良縁を結ぶというご利益があることで知られています

御札で覆われた碑の「表から裏へ」通り抜けると“悪縁切り”、
次に 碑の「裏から表へ」と抜けると“良縁を結ぶ”ご利益があると言われています

この安井金比羅宮の一角に『久志塚』があります

髪は女の命と言われるように
昔から女性の髪の毛には霊力が宿るといわれています

その髪の毛を結い上げる櫛にも 女性の魂が籠っています

『櫛祭り』は 古くなったり傷んだ櫛や簪に 感謝を込めて供養する祭で
“ク”と“シ”という語呂合わせで 
昭和36年9月4日に 京都美容文化クラブの主催で 櫛供養が行われました

そして 翌年には安井金比羅宮の中に櫛塚(久志塚)が建立されました

『櫛祭り』は
時代風俗の着付けと 結髪の正しい伝承を目的として京都美容文化クラブが設立され
櫛まつり実行委員会が設置され 時代風俗行列を交えたお祭りとして発展してきました

『櫛祭り』は毎年9月の第4月曜日に開催されます

安井金比羅宮の櫛祭りは
まず 13時から櫛塚の前で神事が行われ 拝殿で地唄舞「黒髪」が奉納されます

黒髪とは 地唄にある舞の曲で
長い黒髪を櫛削りながら 恋しい人に捨てられた女の淋しさを舞います

その後
古墳時代から現代の舞妓の髪型に結い上げた女性たちが
それぞれの時代の風俗衣装に身を包み 
祇園界隈を練り歩きながら祇園甲部歌舞練場へと向かいます

各時代の髪型には 鬘を使わず 全て地毛で髪を結いあげられています

なかなか見ることはできない髪型に注目しながら 
ぜひ時代風俗行列巡行を観賞して下さい 

安井金毘羅宮の櫛祭りの歴史は?

安井金毘羅宮は
天智天皇の御代(668~671年)に藤原鎌足(ふじわらのかまたり)が一堂を創建し
藤を植え藤寺と号して 家門の隆昌と子孫の長久を祈ったことに始まります

崇徳天皇(在位1123~1141年)は特にこの藤を好まれ
久安2年(1146年)に堂塔を修造して
寵妃である阿波内侍を住まわされました

崇徳上皇が保元の乱(1156年)に敗れて讃岐で崩御された時に
阿波内侍は上皇より賜った自筆の御尊影を寺中の観音堂にお祀りされました

治承元年(1177年) 大円法師(だいえんほうし)が御堂にお籠りされた時に
崇徳上皇がお姿を現わされ往時の盛況をお示しになられました
このことは直ちに後白河法皇(ごしらかわほうおう)に奏上され
法皇のご命令により建立された光明院観勝寺が当宮の起こりといわれています

光明院観勝寺は応仁の乱(1467~1477年)の兵火により荒廃しましたが
元禄8年(1695年)に太秦安井(京都市右京区)にあった蓮華光院が当地に移建され
その鎮守として崇徳天皇に加えて 讃岐の金刀比羅宮より勧請した大物主神と
源頼政公を祀ったことから「安井の金比羅さん」の名で知られるようになりました

明治維新の後
蓮華光院を廃して「安井神社」と改称し 更に「安井金比羅宮」と改め現在に至るという
大変歴史の古いところですが

安井金毘羅宮の櫛祭りの歴史は新しく
始まりは 昭和36年(1961年)のことです

吉川観方氏と美容家の南ちゑ氏によって始められました

吉川 観方(1894年 – 1979年4月16日)氏は
大正時代から昭和時代にかけての京都の日本画家 版画家

南ちゑ氏のミナミ美容室は1888年創業で 祇園一の老舗美容室
南さんは
古墳時代から江戸時代までの時代に合わせた髪形150種類以上のレパートリーで再現

京都美容文化クラブによって主宰されるこのお祭では
境内の久志塚の前にて日常使う櫛に感謝する法要が行われた後
祇園町一帯を髪型女人風俗行列が練り歩きます

約40人ほどの女性が時代ごとの髪型を美しく再現し
すべて地毛を使って結われています
法要の後に境内にて 髪型の説明もあります

古墳期から奈良・平安・室町・桃山・江戸(前 中 後期)・明治・大正 
そして現代の舞妓さんまでのさまざまな時代の髪型と
その時代の衣装を身に着けたた女性たちが
花街祇園一帯を練り歩く「時代風俗行列」です

古墳期

奈良

平安

桃山・江戸 

明治・大正

櫛祭りで女の時代祭り行列のコースや見る穴場は?

安井金毘羅宮の櫛祭り 今年の日程は

2017年9月25日(月)第4週目の月曜日

櫛祭りの時間は

神事 13:00~
時代行列 14:00~

櫛祭りのコースは

安井金毘羅宮を出て 東大路通りを北上 八坂神社の前をさらに北へ
新橋通をずっと西へ進み 大和大路通まで来たら折り返して白川南通を東へと戻ります

ここで暫しの小休止となり玉垣の前は撮影のチャンスです
10分ほど休み 再出発した行列は花見小路通を建仁寺までずっと南下して
安井金比羅宮へと戻り終了となります

例年 このコースだと思われますが
2015年の第55回は 記念の会がおこなわれました

行列のコースは
境内を出て北上 八坂神社の前で左折 四条通を西へ向かい 花見小路を南下
奉納舞・黒髪と時代風俗の解説は弥栄会館で行なわれ
行列の開始時間もいつもより早くの出発でした

今後も記念の会の時は 時間やコースの変更があるかもしれません

駐車場は境内に12台
周辺にもコインパーキングはありますが 少々お高いうえに当日はたぶん満車

行列に徒歩でついていくなら電車かバスの方が正解です!

当日は 行列が練り歩くので その付近では交通規制があります

<櫛まつり・安井金比羅宮>
場所:京都市東山区東大路通松原上ル下弁天町70  電話:075-561-5127
境内:無料
交通:市バス 東山安井下車すぐ

まとめ

安井金比羅宮の櫛まつりは 年々知名度が上がり
行列を見物する人が増えてきました

いままでは じっくりと眺めることが出来た行列も
カメラを構え シャッターチャンスを窺う人で凄く混雑しますが
同じシャッターチャンスを狙うなら 
ロケーションのいい花見小路や白川南通りの方がいいですね

町家の風景と時代装束がよく合って絵になる場所です